2018年9月30日

サイドストーリー(13)

サイドストーリー13本目、これで全ての商店建物の紹介が完了。横丁に聳える3階建ての雑居ビルは、通称「Men'sビル」とも呼ばれるとか。Menは男性でなく麺の事ですww

生蕎麦:多賀庵

Dscn6147.jpgこの界隈には居酒屋の大将の他にもう一人、「大将」と呼ばれる人物がすぐ近くにいる。それは蕎麦屋「多賀庵」の大将、この人もなかなかの堅物親父で有名だ。聞けば、かの藪蕎麦の暖簾を分けた由緒ある店で、通の間では隠れた名店とされているらしいが、たまにテレビや雑誌から取材の打診が来ても全て断ってしまう。SNSへアップしようと、食べる前に蕎麦の写真を撮ってグズグズしてる客が大目玉を食った、なんてエピソードはザラである。

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2018年9月29日

サイドストーリー(12)

サイドストーリー第12話。前掛け横丁に住み着く野良猫のモノローグ。

「前掛横丁の猫」

我輩は猫である。名前は「ミケ」... というらしい。らしいというのは猫の世界ではそもそも名前なんていう概念は存在しないからで、ただ単に人間達が我々を識別する為に都合よく付けているだけのものだからである。なので「ミケ~」と呼ばれれば一応お愛想で振り向くが、別に「ノラ」だって「クロ」だって構いやしない。

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2018年9月22日

☆ 訪問記(6)

しもてつ訪問記、第6話。この日、Kは水神森へ探検に行く事に...。でもその前に2か所ほど寄り道をしますが、もちろんそれは建物の写真紹介の為(笑)でもあります。

しもてつ乗換駅の風情(6)

水神森探検をすると決めた実行日がやって来た。Kはいつもの様に、本線の上り普通列車でこの駅に降り立った。今日の計画は、こうだ。まずここから大神宮線で終点の大神宮まで行く。そこで電車を降りたら、大神宮の裏参道から境内を通って正面へと周り、まずは探検の成功を祈ってお参り。それから駅へ戻り、軌道の跡を辿って参道駅のあったあたりまで行ってみる。さらに、途中で「水神社(すいじんやしろ)」の駅跡や元々水神様のあった場所等を探しつつ水神森駅まで行って、最後に予備校ビルへ寄り、あわよくば屋上の水神様を拝ませてもらおう。

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あのビルは予備校のフロアしか行った事が無いが、確か1階受付にインターホンが置いてあったから、そこで呼べば誰か来てくれるだろう。「久しぶりにワクワクして来たゎ」Kは昂ぶる気持ちを抑えつつ本線改札を出て、支線の乗り換え口へと向かう為、駅ビルの階段を降りる。首から下げたストラップには、一眼のカメラがぶら下がって揺れている。いつもはスマホの写真で済ましているが、今日は本格的に撮りたい気分になって持参したものだ。

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2018年9月17日

サイドストーリー(11)

サイドストーリー11話は、しもてつ発行の沿線誌フリーペーパー下総Lineより抜粋

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"私の OKINI spot"

毎回、沿線で働いている素敵な方のお気に入りの場所をインタビューでお聞きしている当コーナー、今回は青砥ヶ谷駅ビルのカフェ店員、仁美さんにお話を伺いました。

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「駅売店脇のベンチ」

青砥ヶ谷駅の改札内にある売店は、ごくごく規模の小さなものだけど、通勤の行き帰りで毎日通りかかる私にとっては、大変お気に入りの場所です。壁際にあってあまり気づく人がいないんですが、あそこには窓に向かって腰掛けられる小さなベンチがあって、ちょっとしたイートイン的な使い方が出来るのが魅力。目立たないのであまり人が来ないし、目の前は大きな窓だから、街の景色を眺めながらリラックスして電車待ちのひと時を過ごす事が出来るんです。落ち着いて時間の過ごせるあのベンチは、ほんとに超貴重。

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2018年9月14日

サイドストーリー(10)

サイドストーリー10本目。元、雑貨屋のばあちゃん、今は引退してますが、お世話好きな人情家として商店街でも有名人です。

雑貨屋のばあちゃん

おやまぁ、またやってるのかね?アーケード通りのど真ん中で、書店のおやじと八百屋のおばちゃんが睨み合ってる。そりゃ~無理もないよねぇ、賑やかして野菜を売らなきゃ儲からない八百屋と、静かにじっくりと本を選ばせたい本屋さんでは、所詮そりが合わないんだから。ほら車が来てるって、そこじゃ邪魔ですよお二人さん。

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2018年9月 9日

☆ 訪問記(5)

訪問記第5話。今回は主に青砥ヶ谷銀座のアーケード商店街を紹介します。最終回ちょっと延びまして、完結まであと2回ほど続きそうです。

しもてつ乗換駅の風情(5)

Kは大将のその店がとても居心地よく感じ、それから会社帰りや休日に何度か、わざわざ回り道してここで途中下車し、一人で食事に足を運ぶ事があった。その折に模型店の方も覗いてみるのだが、いつも店内の電灯は消えた状態でシャッターが半分降りている。営業をしていないようではあるが特に閉店の案内も掲示されておらず、開店休業の状態なのかも知れない。ある日Kが居酒屋で遅い昼の食事をしていると、そこへ運転士の彼が入って来た。

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2018年9月 1日

サイドストーリー(9)

サイドストーリー9本目。昔は駅前の洋菓子店と言ったら大抵これでした。

思い出の洋菓子店

今は隣町のマンション暮らしですが、私が小さい頃はこの駅が最寄りで、15分ほど歩いて坂を下った所にある、両親が建てた小さな一軒家に住んでいました。甘いものが大好きで、どこかへ出かけた帰りには親にねだって駅前の洋菓子店に寄り、ケーキを買ってもらうなんて事もたまにありました。その当時この近所では、ケーキと言える代物を買えるのはここぐらいしかなかったのです。昨今のような「甘さ控えめ」という風潮もなく、コッテリ甘いクリームにすっぱい苺を乗せたショートケーキは大好きで、これを食べるのは我が家にとって数少ないハレの日でした。

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