へるん先生とはハーン先生のこと、つまりラフカディオ・ハーン(小泉八雲)である。執筆者が元鉄道ジャーナル社の芦原伸氏との事で、面白い汽車旅の記述が読めると思って購入した。が、見事に裏切られた。
へるん先生の汽車旅行
いや、いい意味でである。これは小泉八雲の生涯を克明に記した本であり、汽車旅はその添え物に過ぎないのだ。書中で八雲の足跡をなぞって現代の鉄道で経路を辿ったりもしているが、鉄道マニア向けでもなく記述はあっさりとしている。がしかし、私としてはむしろ得るものが大きかった。それは小泉八雲という人物について、抱いていたボンヤリとしたイメージを根底から覆すものだったからだ。
浅学にして、そもそも江戸末期あたりの時代に、髷を結った武士達と親交していたぐらいの人物と誤解していたが、来日は1890年だから明治中期であり、彼は雑誌社の通信員として海を渡っているのだ。そして著者が何故にこれだけ八雲を研究しているかというと、とある身内に縁があったからに他ならないのだが、その辺はとても面白いので機会があればぜひ読んでみて欲しい。
ヶ太郎 返信
なるほど~。小泉八雲は、文庫で何冊か読んだことがありました。これは気になる存在ですので、さっそく読んでみます!
H.Kuma 返信
ヶ太郎さん、コメントありがとうございます。
私にとっては目から鱗の内容で、とても面白かったです。
おすすめですよ。