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2007年2月 3日

電柱でゴザル

ベタなタイトルで失敬(だって考え付かなかったもんで)。
前エントリで電柱を作り貯めるとは言ってみたものの、実際そんなにたくさん立てる程の広さもないのがこのセクションなのだった(^^;)。という事で現実に目覚めながらも手は動いているが、今回電柱に使うのはKATOジオタウン用のアクセサリー品と、GMのキット製品だ。ジオタウンの物はさすが最近の金型だけあってリアルに出来ている。対するGM電柱キットは背も低く少々古風なタイプに見えるが、裏通りに植えるにはちょうどいいかも知れない。それぞれ後々の破損対策予備として、プラス一本位余分に塗装をしておく。
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GMの方はおまけで付いてるこの電柱用シールが、なかなかリアルで使える。但し厚みを考慮してか蒸着フィルムの素材になっているため、丸い柱に貼り付けてしばらくするとご覧のように腰の強さで浮いて来てしまう。なもんで、後から何らかの対策をしないといけないのが面倒だが、私の場合は隙間に瞬間接着剤を浸み込ませて巻き付けておいた。
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塗色は最初グレーの単色塗りにしたが、KATOの物は表面が滑らか過ぎてツルツルだったので、後から黒のスプラッシュ塗装を加え、コンクリート感を出している。
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電柱以外の立ち物で良く見るのは、消火栓標識だ。赤くて丸い表示板は、街中でひときわ目立っている。これもバス車庫のGMキットにプラ製の物が入っていたのだが、さすがにちょっと太り気味。これは真鍮線で自作出来そうだなと思ったので、思い切って作ってしまった、

作り方は、先端を焼きなました0.5mm真鍮線をドライバに巻き付けて丸める。内側のフックを0.3mm真鍮線を半田付けして組み込み、間はプラ板で丸く埋め、溶きパテを盛って削り平面化しておいた。
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表面に貼るシールは自作したが、丸く抜くのに行なった1K円程の設備投資がロータリー式の穴あけパンチだ。単なるポンチでも良かったが、他にも色々と丸い物を作るのに役立ちそうだったのでこれにした。ペンチのようにグリップを握れば容易に抜けるのも、なかなか具合がよろしい。前回苦労した速度標識も、これで容易に作成出来た。
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支柱の下半分にテープを巻いて太くし、赤く塗ってシールを貼ったら出来上がり。あ、オーバースケールながら、白い補助矢印も付けてみた。これは歩道上の消火栓蓋位置を指し示しており、この標識で一番肝心な部分でもある。地面の消火栓蓋は写真からシールを作り、周囲を黄色のレトララインで囲んである。これで火災対策もバッチリだ。

2007年2月 8日

やっちった…

さて、先日安価で手に入れた高級(?)外車に色差しをしようと分解を試みたのだが、WIKINGの製品はちょっと一筋縄ではいかなかった。ボディとシャーシが頑丈に接着されている為に、隙間にピンセットやカッターの歯を潜り込ませて注意深く引き剥がしたものの、この始末。

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まぁ、剥離材か何かを研究する余地はあるかも知れないが、解決に時間もかかりそうなので、お釈迦にしたこの車以外はバラさずにそのまま塗ってしまう事とした。その際に、当然ながら予想される問題は、窓ガラスへの塗料流れ込み。でもエナメルの筆塗りだし、はみ出したらシンナーで拭き取れば何とか見られるようにはなるだろうという事で、マスキングもせずにトライした。

その結果がこれだ。VWパサートヴァリアントが、事業車に…。

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sect211.jpg 塗装後

対する BUSCHの方は車体後部の勘合部を押し込めば容易に全体が分解出来るようになっており、いじりたい派としてはこの構造に賞賛を与えたい。それ以前に、この製品は良く色差しが施されているので、特に手を加えずともそのまま使えるレベルではあるのだが…。

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分解してみて気づいたのは、こちらは窓ガラスがアクリル(?)のソリッドなブロックで出来ているという点。成型の場合だと屋根下のガラス厚み断面が目立つので、この方が合理的で好ましいが、その分、車内のシート表現等は省略されている。下回りもタイヤまで含めての一体成型で当然回転しないが、レイアウト上で走らせるわけでもないので、撮影時に不用意に滑り出してしまったりせずにかえって助かる。

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左:KATO 右:BUSCH

なかでも惚れ惚れする出来なのがこのメルセデスベンツMクラス。ええい、クローズアップでお見せしちゃおう。何たってこのNゲージサイズで、ヘッドとテールランプにレンズが嵌め込まれてる。そしてフロントのベンツマークに銀が入ってて、そしてそして、ルーフレールがちゃんと浮いてるのが見えるだろうか。

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…のわりにミラーが表現されてなかったりして若干アンバランスではあるが、でも素晴らしいねぇ。私が後からやった事と言えば、ホイールの色差しとナンバープレートを貼り付けた事ぐらいだ。国産車でもこういうの、出ないかなぁ~。

2007年2月11日

道路完成

3連休なんで、少しは葉っぱ… じゃない、発破をかけるとしよう。
空に向かって伸びるアイテムが色々と追加された結果、背景を合成せずともだいぶバス通りらしく見えるようになって来た。結局電柱は駅側歩道の2本だけとし、逆サイドは地下埋設化により電信柱無しの想定で、道路照明を一本のみ植えてある。一番手前で目立っている道路案内板、これも想像によりセクション外側のイメージを膨らませてもらう意図で設置したものだ。

案内板は基本的にプラ構成で、2mmプラ丸棒と1.2mmプラ板の組み合わせ。ジオタウンのアクセサリーに横棒2本型の案内板があるので、それとは違うカーブしたポールのタイプを作ってみた。ポールは見た目かなり太いようだが、図面(PDF)等見ると実際の直径はもっと大きいのだ。カーブ部分は半田ごてに近づけてあぶりながら徐々に曲げ、根元の所は補強板を接着して「らしく」見せている。
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案内板裏面もプラの0.75mm角棒で補強の井桁を作り、坂下方向から見上げた場合のディティールを確保。電柱に間借りしている交通標識と相まって、実感度アップの助けになってくれるだろう。
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さて、スーパー屋上から下の通りを俯瞰してみよう。車も増えてだいぶ賑やかになって来たが、この先にスーパーの駐車場入口があるのでここは渋滞する時間帯もあるらしい。といったところで、道路周辺の整備も大体終わったかな。

おっと、彼の存在を忘れてはいけない。小さいほうの電柱君は、こちらの角に鎮座してもらった。一人ポツンと立つ彼は、何やら双子のシグナル達の方を見つめている風情。いや、一人ではない、そばにはそっと寄り添うドラム缶君が…。さて諸兄はどんな物語を思い描くだろうか。
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あとはPreiserのフィギュアを塗って配置すれば、大体完成になりそうだ。これがまた、ちょっと難物ではあるのだが。

2007年2月14日

先行試作

最後の追い込みにかかってるので、段々と更新間隔が詰まって来ている。ともあれ、あと数回で一応の決着はつきそうだ。

とりあえずの人物先行試作テストショットは、改札越しの2番線ホーム遠望。日の傾きかけた午後、なかなかやって来ない電車を待つゆっくりとした時間。そんな空気感が出てくれているとすれば、成功だ。

ベース素材は例の Preiser 125体入り未塗装セット。一体あたり約30円は、この上も無くコストパフォーマンスがよろしい。もちろん、もとよりこの小セクションでは全部使い切れるわけはないのだが。
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まずは駅ホーム用として座ってる人を中心にセレクト。基本的に西洋人なんだけど、塗り方によっては日本人に見えなくもないかな。ちょっとテカっちゃったので、後で上からマットクリアでも被せときますか。
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次は立っている人だが、人数が多くなるので少々手がかかるのは止むを得ない。

2007年2月17日

フィギュア量産

という事でフィギュアの量産を開始したのだが、駅前歩道を往来する人の雑踏を表現したかったので、それなりの人数を用意する必要があった。そもそも125体入りの無塗装キットを手配した理由もその辺が発端であり、そんだけの群集を塗装済製品でかき集めようとしたら、果たしていくらかかるか分からない。チマチマと一人ずつ塗って行くのは大変だけど、ここはまぁ、覚悟の上の踏ん張りどころというわけだ。

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でも、各人のパーソナリティを構想(妄想?)しながら塗り込んで行く作業はそれなりに楽しくもあり、又、既製品では味わえない自分なりの服装に仕立てられるのがこの手法の利点でもあるかな。ある程度人数が揃った所で透明プラ板上に仮止めして、様子を見てみよう。や!なんだかいろんな季節が混ぜこぜ気味になってるが、暑がりもいるし寒がりもいるだろうから、ま、いいか?

あと、こんなんも完成済。KATO-Preiserの学生人形は非常にリアルで良く出来ているのだが、駅近辺に多い高校生はもうちょっと派手かな?という事で、無理やり塗装で作ってみたものだ。女子の腰の部分にはパテを巻き付け、スカートっぽく見せている。男子は詰襟でなく、ブレザーの制服にした。
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塗り込むための参考写真をネットで探す際、普通に検索かけるとあっち系(^^;)のサイトばかり出て来てしまうので、キーワードには工夫を要した。「制服紹介」とかだと、わりと良い傾向の画像が出るようだ。元が外人さんなので出来上がりは少々コスプレっぽいけど、服装に特徴があるので、かなりいい加減な塗りわけでもそこそこ「らしく」見える。そりゃいいんだが、気をよくしてチョット人数増やし過ぎじゃないか?…ってな疑問もなきにしもあらず。

こちらは昨年末に作った先々行の試作品。三田さんはまぁお遊びなんでオフシーズンには使えそうもないが、他の人達は随時どこかに紛れ込ませて配置してあげようかと思う。右下はストリートミュージシャン(のつもり)で、ギターにはちゃんと弦が張ってある(ウソです)。
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ちなみに、人形のポーズ変更の際に使う加工冶具はこんな感じ。半田ごてそのままだと放熱範囲が広いので、先端にピンを括り付けてそこへ近づけて曲げ加工を行なっている。但し、これもジワジワと気長にやらないと失敗してトンデモナイ事に(おぉコワ)…。もちろん、リスクの高いこの作業は塗装前に行なっておくのが鉄則である。
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2007年2月21日

人影のある街

人形の配置を一通り終えて、街に少し活気が出て来た。やはり人影のある街角は、心なしか空気が暖かい感じがして良いものだ。駅で電車待ちの人達、自販機の前で迷ってる女性、ホームで友人と会った女子高生、ひとり淡々と走る赤ジャージのおっさん…

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ショッピングセンター前のお婆さんとその孫、坂を登るカブの配達員、高架下のミュージシャンとそのファン、取引先へ向かうスーツの中年女性。何気ない無機質な風景でも、そこに人影があると活き活きとして来る不思議さ。
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おゃ、1番線に入ってる電車、何やらヘッドマークが付いてるような。ちょっと見に行ってみようか…。
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(次回、製作編最終回の予定)

2007年2月24日

そして完成!

水神森駅、ようやく開業だ。ヘッドマークを付けた記念列車が短いホームを発車して行く。信号機のお見送りを受け、商店裏のポイントをゆっくりと抜け、このカーブを曲がるとその先は…

いやはや、長ーいあいだ製作記にお付き合い頂き、ありがとうございました。皆さんからもらった応援コメントやトラックバック等も、大変励みになりました。中には、工作が細かすぎて見てるだけで胃が痛くなったりした方もおられるのではないでしょうか。私自身も、もう少しおおらかな気持ちで模型を楽しめんかとも思うのですが、どうも性分のようでいけませんね。

以下、出来上がりの全体写真を掲載しておきます。まずは正面から。
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ちなみに着手当初の写真(2005年6月
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こちらは背面側。別にこっちが正面でもいいけど(^^;)。
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大きさはこんなもんです。
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さてとりあえず、組み立て式線路もつなげて試運転、試運転っと。しかし、セクションの外はまだまだ実に貧弱な路線だな~。いまだにTOMIXの茶レール使ってるし。久々に出て来た特製の連絡線は、ここに来てようやく本領発揮といったところ。
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これをやる時は、やっぱ「中の人」目線じゃなきゃね。というわけで、こんな姿勢で運転するのが最近お気に入りな下快オーナーであります。でも長時間やると結構、首、疲れるんですよねぇ。
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チラ見ですけど、一応ちゃんと走ってますという事で証拠ムービーもどうぞ。古いデジカメの何ちゃって動画なもんで、画質が今いちな点については悪しからずご了承を。そのうち、もっとちゃんと撮りましょうかね。
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for Media Player sect01.wma(2.07MB/約30秒)
for Real Player sect01.rm(810KB/約30秒)

一休みしたら、次は例によって各所シーナリィの紹介も兼ね、このセクションを題材とした訪問記をお送りする予定です。