特集2.

●コンテンツタイトル

これまであまり触れた事がありませんが、コンテンツタイトルのあれやこれやについて、この機会に述懐してみたいと思います。実はページを公開する際に、その内容以上に悩む部分でもあります。サイト開設当初は捻りの無い比較的直球な、例えば「青梅線の砂利採取線跡」とか「八ヶ岳・夏沢峠の記録」等という感じでタイトルを付していました。

その後、ちょっと面白い副題を考えるようになって、いつしかそちらがメインで副題として実際のその場所を示すような組み合わせに変わっていったという経緯があります。中には後年にタイトルを付け直してリニューアルしたようなページも少なからずあったかと記憶しています。

以下に、これらタイトルの中でも、私のお気に入りとなっているものをいくつか列挙してみたいと思います。

八王子界隈の廃なもの 」(1996/08)
これは開設当初からのコンテンツだが、色々な物を一緒くたにまとめてしまったため必然的にこんなタイトルに。「廃なもの」というのはこの頃の私のお気に入りワード。「廃人」とかもスラングとして流行ってたような
奥多摩の空中回廊」(1996/08)
このタイトルは水根貨物線の事であるが、ページ上には記載がなく、それを呼び出す RailPage内のリスト側で付している。青梅街道から見上げる廃線跡は、まさしく空中回廊という表現がピッタリだと思うのは私だけだろうか
パノラマで行こう!」(1997/06)
もちろんA列車で行こう、のパクリだが、パノラマ写真はこの頃のプチマイブーム。デジカメ等ようやく流行り出した時代で、私はまだフィルム写真で苦労して作っていた。
埠頭逍遥」(1999/03)
当サイトにおける文学的タイトル(笑)の走りである。逍遥(しょうよう)とは、あてどなくあちこちをぶらぶら歩く事で、自転車でポタリング気分で走る際にはピッタリの言葉かと思うharumi00.gif
もももすももも花盛り」(1999/04)
これはもう言葉遊びですねー。甲府に桃の花見Runに行った際の記事。他に桜や李も見れたのでこのタイトルだが、一応、桃がメインなので早口言葉をひっくり返した言葉順に
新金線に雨が降る」(2000/12)
首都圏連続貨物線シリーズと銘打ったこの一連記事、小説のタイトルのイメージで付けたが、取材日は実際に冬のシトシト雨だったのである
お道具こだわlist」(2001/01)
所有している自転車グッズを披露するという自己満ページ。「こだわる人」と「リスト」の両方の意味を掛けている(分かりますよね)
見上げれば索道」(2002/03)
奥多摩湖にあるロープウェイ跡を探訪して帰って来て、最初に頭に浮かんだタイトルがこれ。ちょっと狙い過ぎな感じもしたが、結局気に入って付けてしまったokuta00b.gif
パイクを作るゾ!」(2002/08)
かつてTMSで見たパイクを作りたくて、作るゾ!という意気込みと共に、途中で投げ出さない様に制作記を起こした。書いておけば引っ込みがつかなくなると思って...。夏休み中に終わる筈だったので副題を「なつやすみのしゅくだい」としてるが、とんでもなかった(笑)
高原へ行きましょう」(2003/06)
確か当時同じような題名のドラマをやっていて、それをパクっ...いやいや、それへのオマージュだ。というわりに、ドラマは観ていないのであるが
所沢ところどころ」(2003/09)
でましたダジャレタイトル、所沢だからところどころ。きっと、地元のコミュニティサイトか何かあるだろーなーと事前リサーチをしたが、使われていなかったので有り難く採用させていただいた
赤い電車の夏」(2004/08)
この年から始めた青春18きっぷ旅。訪れた日立電鉄、岳南鉄道共に赤い電車が印象的だったので。日立電鉄は既に翌年春の廃止が決まっている状態であった
とらみの海と、ぐんだり山」(2006/08)
たまに行なう夏の自転車ツーリングはとても印象的で記憶に残る。この年は外房の東浪見(とらみ)まで輪行し、そこから走りだした。東浪見寺のある軍荼利山(ぐんだりさん)は本当にちょっとした山で、大汗をかいて参道の石段を往復した
東北あみだ紀行」(2006/09)
奥羽本線、東北本線、三陸海岸の三本の縦線に挟まれたエリアを、横方向に結ぶ未乗ローカル線をあみだ状に乗り継いで旅した事から付けたタイトル。あみだくじ~♪
濹東軌探」(2007/04)
言うまでもなく、永井荷風の濹東綺譚をもじって付けた。白髭線の廃線跡はこの小説の舞台でもある。数あるタイトルの中でも、我ながらなかなか傑作(笑)だと思っている一編bokutou01.gif
熊本贋阿房列車:炎暑の肥後路」(2007/08)
この九州旅の頃は内田百閒の阿房列車に傾注していて、かなり影響されている。タイトルのみならず、書いた紀行文の中でも随所に阿房列車のエッセンスを散りばめている凝りようだkumamo04.gif
富士山麓お馬啼く」(2008/12)
味をしめてやってますね。ふじさんろくおーむなく(22360679)は、√5の暗記法で語呂合わせ、まぁ中身の御殿場馬車鉄道とは一切関係無いのであるが
学園都市のアイボリー」(2009/05)
京王の未成線である国立線を追った記事。この線が実現していたら、学園都市である国立の大通りを走る京王のアイボリー塗装が緑に映えていただろうとイメージした。実際は地下化されていたかも知れないが
ハンドル左に海をみて...」(2011/01)
正月の三浦半島ショートツーリング、久里浜をスタートして時計回りに走れば、ハンドル左手は常に海の景色が広がる。そんな当たり前の事に気づいて付けたmiura01.png
幸せの黄色いニシキ」(2011/04)
オリジナルはもちろん、例の超有名な邦画である。私にとって初めての自転車は、この幸せ色したニシキのスポルティフだった
廃鉄橋に夏が来る」(2012/07)
夏が本格的に近づいて来ると、私の心はいつも入道雲のようにワクワクと盛り上がる。そんな高揚感と共に訪れた中央本線の旧線跡fujimi00.png
線路萌え」(2013/04)
もちろん「萌え出づる」でなくサブカルの方の「萌え」であるが、様々なシーンの線路に美を感じるという趣向をアルバム化するにあたり、このタイトルを使う事は前々から考えていた
脈絡庵 旅日乗」(2013/08)
ダイレクトなタイトルを付すとすれば「関西私鉄乗り歩きの旅」ぐらいになりそうだが、ここは荷風の断腸亭日乗をもじって「脈絡庵 旅日乗」とした。以降、タイトルに困った旅日記はこれを使おうとの魂胆も...
近鉄あをによし」(2015/02)
近鉄のフリーパスを使った乗り歩きの旅だが、奈良方面が中心となったので、奈良の都の枕詞「あをによし」を冠してみた

以上、タイトルの命名については悩む部分であると書きましたが、実はあれこれ考えるのが楽しみになっていたりもして、極端な例では、出発前に既にタイトルが頭の中で決まっているなんてケースも過去にはありました。

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