- 証言集
- 2020-03-14
4月4日はコロの誕生日です。
非常に個人的で、他人様にはどうでもいい話ではあるのですが、私の思い出記念日なのです。
コロというのはぬいぐるみのワンコです。
買ってもらった日を誕生日に設定して、可愛がっていました。
名前は・・・ああ、そうだ、その当時によくあった、犬の名前ランキング上位の名前だからつけたのだったかも。
買ってもらった場所が谷津遊園(やつゆうえん)という遊園地でして、そこはもう閉園してしまいました。
それでよけいに美化された思い出として記憶に残っているのでしょう。
谷津は千葉県習志野(ならしの)市にある地名で、そこにある遊園地だから谷津遊園。
私の子供の頃、千葉県北西部の子供たちにとっては休日にいきたい場所のひとつでした。
観覧車やジェットコースターなどの定番アトラクションに加え、
壁や天井がひっくり返って部屋が回って見えるマジックハウス、
日本で始めてお目見えした宙返りジェットコースターのコークスクリューなんてものまであって地方ながらけっこう本格的な遊園地だったのです。
また、広々としたバラ園が併設されていて、季節になるとみごとなバラが咲き誇ったものです。
ウチはあんまり連れて行ってもらえなかったのですが、その分、行けた時には嬉しくて嬉しくて!
そしてあれはたしか六歳くらいの頃のこと。
それまでは親が選んで与えてくれたおもちゃや服ばかりだったのが、谷津遊園の中のショップでほぼ初めて「好きなおもちゃをひとつだけ選んでいいよ」と言われました。
目の前の宝の山からひとつだけ選ぶというのはなかなか難しい。
あれも欲しい、これも欲しいとさんざん迷って、手に取ったのが白い小さな犬のぬいぐるみ。
実は親としては予算オーバーだったらしいのですが、あんまり私が大事そうにぎゅうぎゅう抱きしめているのでダメと言えなくなったらしいです。
まあ、千円未満を想定してたらちょっと超えちゃったという程度だったようですが。
残念ながら、親が良かれと選んでも、子供の希望と違うのは多々あること。
今までは飽きっぽかった私がコロだけはいつまでも抱っこして大事にしているのを見て、親も『子供に選ばせた方がいい年齢になった』と思ってくれたようです。
それから数年後、母が幼なじみのゆきうさぎさんと一緒に連れて行ってくれたこともありました。
地元からはちょっと遠いので、友達と学校行事以外で谷津遊園に来たのはその時が初めて。
嬉しくて楽しくて、ゆきうさぎさんとはしゃぎまくりました。
結局宙返りコースターは怖くて乗らないままでしたが、宙返りしないジェットコースターを初体験したのはこの谷津遊園です。
色々と、主に千葉県の子供たちにワクワクを与えてくれた谷津遊園ですが、実は運営会社は京成電鉄でした。
私のブログでは名前がよく出てくる鉄道会社ですが、電車以外にも不動産やこういったレジャー関係の運営などもしているのです。
そしてちょうど私が生まれて育って小学生をやっていた70年代~80年代に京成電鉄は大きな事業に取りかかっていました。
それが、ディズニーランドの日本誘致です。
無事に権利を得て浦安市での建設が決まり、そこから電車で数駅という近さの谷津遊園は、他にももろもろ事情も有って廃園が決まりました。
母がゆきうさぎさんも誘って谷津遊園に連れて行ってくれた時、廃園が発表されてカウントダウンが始まっていたタイミングだったようです。
家族としても思い出のある谷津遊園に、最後に行っておこうと思ったのですね。
最寄り駅は京成本線の谷津遊園駅。
閉園してからもしばらくは谷津遊園の名前のままでしたが、現在は地名だけを残し谷津駅となっています。
遊具の多くは廃棄されたり他の遊園地に引き取られたり。
遊園地の部分はなくなってしまったのですが、バラ園だけは愛好家さんたちや地元のみなさんの希望を受けて、谷津バラ園として運営されてます。
従業員の多くは東京ディズニーランドにそのまま雇われたらしいです。
私のコロも、長い年月の中、いつの間にか無くしてしまいました。
でも谷津遊園の楽しかったことや、自己主張する事を学んだ経験など、大事な思い出は残っていて、今年の4月4日にまた懐かしんでいます。
ブログ「ひゃっはー日和」2015年04月04日の記事 より、許可を得て転載