2018年8月 4日

サイドストーリー(3)

サイドストーリー3編目。駅前の鯛焼き屋台のおじさんは、なかなか良い仕事をする職人のようです。

鯛焼き屋台の隠れた逸品

駅ビルの正面口を出た所で、周囲を漂う甘い匂いに一瞬足が止まった。「あ!鯛焼き買って行こう」駅前にいつも屋台を出している鯛焼き屋さんは、このあたりでは美味しいと評判の店。最近この街の八百屋さんでバイトを始めた私、駅前には洋菓子店もあるし、誘惑の種が尽きないので困ってしまう。気分的に「和」の時は鯛焼きだし、「洋」の時は迷わず洋菓子店についつい足が引き寄せられる、といった厄介な事態が発生しちゃうからなのです。

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ここの鯛焼きは、ハチマキ姿のお爺さんが焼きゴテで一個一個焼いてるいわゆる天然もの、カリッとした食感が独特で一度食べるとクセになります。仕事が限りなく丁寧かつユックリなので、いつも地元の人の行列が出来てるんですが、それを見て人気店と思って列につく新規のお客さんも多いらしく、なかなかの繁盛ぶりなのです。今日は珍しく2~3人しか並んでいなかったのですぐに買えました。ホカホカの鯛焼き2尾が入った紙袋を鼻に近づけると幸せな気分に...「ちょっと欲張った、太るかな?あ、バイト先のおばちゃんに一個あげればいいんだ(笑)」

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実はこの鯛焼き屋には隠れた人気商品があって、それはぺこちゃん焼きという裏メニューの逸品なのです。それって、あの洋菓子店の商品では?と思うでしょ。もちろん公けに系列店では飯田橋の1店舗のみって事になっているけれど、それより遥かに昔っからこの店にはあったようです。ただ、ここのはもう少し小さいヤツで、顔もビミョーに違っていて... ようは洋菓子店とは無関係のパクリもんってわけネ(笑) 名前もカタカナでなくひらがなで「ぺこちゃん」だし。

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でも洋菓子店の人にもけっこう人気があるようで、時々店員がコッソリ道路を渡って人数分を買いに来てるそうだから、半分黙認みたいなモノなのかなぁ。こちらの方も基本、鯛焼きと材料は同じだし、焼き加減が絶妙でなかなか美味しいです。だけど、お爺さんの手造りで発注した焼き型なので、ビジュアルが今ひとつなのはご愛敬。顔が本家以上にホラーっぽく見えて写真映えするんだそうで、SNSネタとしても密かに人気があるみたいですョ?

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