本記事はあくまでバーチャルな机上の妄想旅です

旅程 3日目(後半)

市内観光(函館港エリア)

元町配水場を後に、石畳の二十間坂を下って電車通りを横切り、そのまま進むと道路は「開港通り」と名を変える。 すると、次の交差点左角の電柱脇に黒い案内板が立っているのが目に留まるだろう。 歩道側の表に回って解説を読んでみると、この電柱は大正12(1923)年に建てられたもので、現存するコンクリート電柱では日本最古のもの(開港通り側のもう一本はレプリカ)、との事である。 何でも大火事の多かった函館の地で、耐火を目的として当時まだ木柱が一般的だった電柱をコンクリートで作ったそうだ。 水道もそうだが、函館の地には何かと先進的なものがあるのだ。

日本最古のコンクリート電柱

その道をそのまま港の方へ進んで行くと、道路左側に何やら外装の賑やかな建物が2棟並んでいるのが見えて来る。 これぞ函館を代表する2大ローカルチェーン、コンビニのハセガワストアと、その隣りはハンバーガーのラッキーピエロだ。 ハセストのやきとり弁当は初日に函館駅前店でお世話になっているので、本日はラッキーピエロでお昼としよう。 平日とは言え夏休みのお昼どきなのでそこそこ混んでいるが、少し待って席は確保出来た。 注文したのはダントツ人気No.1セットで、チャイニーズチキンバーガー、ポテト、ウーロン茶のセットである。 チャイニーズチキンバーガーは、甘辛タレがけ唐揚げ3個+レタス+マヨがバンズに挟まっていてなかなかのボリュームに見えたが、意外とあっさり完食できてしまった(笑)

ハセスト+ラッキーピエロ
駅・停留所名時刻列車・電車
十字街1306函館市電
5系統 湯の川行
函館駅前1312

さて、食後は赤レンガ倉庫の方へ… と歩道を歩きつつ、ふと見ると芝生の中に少女の像が立っている。 マップのクチコミによると、童謡「赤い靴」のモデルとされる少女「きみちゃん」の像との事で、言われてみると足元の靴が赤く塗られている。 歌の中では創作として横浜が舞台になっているがその元となったのがこちらで、解説に記されている悲しい背景があるようだ。

そこから西波止場前の道路を歩いて行けば、数分で金森赤レンガ倉庫に着く。 煉瓦の美しい倉庫群は、一部現役だが殆どの棟が商業施設として利用されており、カフェやレストラン、雑貨店やホール等になっている。 私はここで人気の「チーズオムレット」や「木樽仕込の塩辛」を購入した後、ここまでだいぶ歩いて少々疲れたので市電で一旦ホテルへと戻ることにした。

photo 金森赤レンガ倉庫(Wikimedia より

宿でしばらく休憩の後、午後からは予定していた次の目的地へ徒歩で向かう。 午前中は観光地ばかりで少々鉄分が不足ぎみなので、それを補給する意味合いもあって選んだ場所、それは青函連絡船記念館摩周丸である。 もちろん鉄道ではないが、かつて青函連絡船として運行されていた船であり、その航路は鉄道路線として扱われていたのであるからして鉄道の仲間と言える。 入館料500円を払って乗船、船内は所要60分程度のガイドツアーもあるようだが事前の予約が必要だ。

photo

青函航路は過去に少なくとも3往復は使っているので、6隻以上は乗っている筈で、おそらくこの船も乗船経験があるものと思う。 各所の作りに既視感があるが、当時就航していた船は基本的な構造は似ているだろうから、あまり記憶は当てにならない。 客室の他に、貨車を積んだ車両甲板も見たかったが、摩周丸では一般非公開とされており残念だ(青森港の八甲田丸は見学可能)

摩周丸3階にある眺望抜群の「ニューサロン海峡」(喫茶は休業中)でしばし休憩の後、日も傾いて来た頃合いを見計らって港沿いの遊歩道を歩いて行く。 海岸には多くの人々が集まっているが、それはこれから花火大会が始まるからなのである。 実は、函館開港166周年記念 函館港まつり協賛 第70回 道新花火大会 と銘打ったこの花火に合わせ、旅のスケジュールを組んだというわけなのだ。 この日から5日間に渡って開催される函館港まつりのオープニングを飾るセレモニー、函館港から打ち上げられる豪快かつ華麗な花火は迫力満点で、旅の最後の夜を締めくくるイベントとしては最上の経験であった。

函館港まつり 第70回道新花火大会 | @siratamaKAERU
button Next