本記事はあくまでバーチャルな机上の妄想旅です

旅程 2日目(後半)

函館市電

いさりび鉄道の乗車を終えて木古内から函館市内へ戻り、2日目午後は市電の乗りつぶしを続行する。 目指すは今回まだ未乗車の谷地頭方面だ。 さっそくやって来た2系統に乗り、函館駅前から終点の谷地頭電停へと向かう。 乗り込んだのは今回初めての9600形らっくる号、函館市電で最新鋭の2車体連接超低床車だが、竣工後既に18年経っている。 聞けば、道内では札幌市電よりも早い時期の超低床車導入だったそうである。

9600形 函館市交通局 9600形電車(Wikimedia より
駅・停留所名時刻列車・電車
函館駅前1407函館市電
2系統 谷地頭行
谷地頭1421
1529函館市電
2系統 湯の川行
五稜郭公園前1603
1720函館市電
5系統 函館どつく前行
函館駅前1736

電車は十字街で函館どつく方面の本線から左へ分岐し、宝来・谷地頭線に入る。 宝来町、青柳町と停車すれば、次はもう終点の谷地頭電停、これで市電は今回全線乗車した。 さてここまで来たからには、石川啄木の墓所でも有名な立待岬まで行ってみよう。 実は学生の頃に来た際も電停から岬へ向かう筈が、遠そうなので途中でめげて気が変わり、函館公園八幡宮の木陰ベンチで昼寝という体たらくだったのだ。

谷地頭電停から函館山へ向かって緩い坂道を歩き出す。 山裾の交差点を左折して暫く進むとやがて道は一車線となり、左手には海が広がる。 さらに進むと両側は道に沿って延々と続く墓地となり、それが尽きるあたりに「石川啄木一族の墓」との案内表示が立っていた。 啄木の函館居住は長くはないが、函館を愛し「死ぬときは函館で…」と手紙に記すほど愛着を持っており、それが縁でこの地に墓が建てられたそうだ。 その先で一気に展望が開けると、立待岬の展望広場となる。 目の前は一面の海、振り返れば函館山がその頂きを見せていた。

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帰路はブラブラと20分程かけて電停に戻り函館駅前に向かうが、途中で五稜郭へも寄ってみた。 以前来た時は貧乏学生につき、ケチって五稜郭タワーには登らずに済ませてしまったが、やはりここは上から見下ろさないと意味がない事を悟った。

photo 五稜郭(函館・みなみ北海道観光ガイド より

それから函館駅前に戻り、程良い時間帯になったので今夜の宿にチェックイン。 ここは駅近で便利な場所をチョイスした。 館内でコインランドリーが使えるのも下調べ済み。 今回4泊5日と長丁場なので、着替え荷物削減の為にここで一度洗濯を入れる事にしたのだ。 洗濯を終えしばらく休憩したところで、本日の行動計画はまだ終わっていない。 空が暗くなるのを待って再び市電に乗り十字街へ、そこから10分ほど歩いて着いたのは函館山ロープウェイの山麓駅だ。

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函館に来たからにはその夜景を見ずには帰れないだろう。 前回来た時はユースの仲間達とここから頂上まで乗ったのだが、途中で霧の中に突入してしまい夜景は見れずに残念な思いをしたので、本日は再挑戦である。 ロープウェイのチケットは事前購入してあるので、そのQRコードをスキャンしてもらえば改札を通れる。 昨今インバウンドで混雑するようなので、割合空いていそうな時間帯を選んでやって来たが、すんなり乗れたので正解のようだ。

函館山 夜景

乗車3分で山頂駅へ到着、改札を出て展望デッキへ上がってみると、目の前に見事な夜景が広がった。 最初に渡道した時に拝む事を果たせなかった函館の夜景、それから47年を経てのリベンジ成功である。 満足感と共に空腹感が頭をもたげて来るが、そう言えば夕食をまだ済ましていない。 山を降りたら宿へ戻る前に、どこかで新鮮で美味しい海鮮でも食べて帰ろうか。

(つづく)