明けて現地函館の初日。 部屋で軽く朝食を済まし、宿を出て海岸沿いの道(漁り火通り)を歩いて行く。 10分程で到着したそこは、函館バスの高松町停留所だ。 本日はここからバスで汐首灯台を目指すのだが、もうお分かりだろう、今回の主目的となる戸井線跡の探索を行なうのである。 だが時間的制限からさすがに全線踏破は無理で、要所要所だけ摘まみ食いしようとの作戦だ。
やがて函館市街方面からやって来たバスは91系統の恵山御崎行。 この 91系統は下海岸線とも呼ばれ秘境路線としても有名なようだ。 切符は昨日購入しておいた「はこだて旅するパスポート」がフリーエリアとして使えるので、降車時にそれを見せれば良く、整理券も不要だ。 高松町7:40発で通勤通学の時間帯だが、既に夏休み期間に入っているので中高生の姿も無く、車内は空いている(筈w)。
バスは右手に海を見つつ約30分走って目的の汐首灯台停留所に到着。 もちろんここで下車したのは私一人だ。 バス停から少し函館方向へ戻ると、民家の裏手に聳える汐首岬第1陸橋が見えて来た。 全長52m、8連のコンクリートアーチ橋は堂々たる眺めで見事。 バス停からさらに10分ほど奥へ進んだ瀬田来の方も覗いてみたが、小ぶりながら白いコンクリートのアーチが綺麗に並んでいた。 なお、橋上に上がれるかもと思っていたが、調べてみたところ、この付近の線路敷は危険かつ私有地の裏手になるという事で、基本的に立入禁止である。
停留所名 | 時刻 | バス・電車 |
---|---|---|
高松町 | 0740 | 函館バス 91系統 恵山御崎行 |
汐首灯台 | 0812 | |
0853 | 函館バス 91系統 函館BC行 | |
湯倉神社前 | 0930 | |
湯の川 | 1030 | 函館市電 5系統 函館どつく前行 |
駒場車庫前 | 1035 | |
1051 | 函館市電 5系統 函館どつく前行 | |
函館どつく前 | 1133 | |
1138 | 函館市電 5系統 湯の川行 | |
函館駅前 | 1152 |
滞在40分で帰りのバスの時刻となり、函館バスセンター行きの便に乗る。 今朝乗った高松町を過ぎ、その先の湯倉神社前(湯川製薬跡地前)で下車、車道に沿って少し進めば遊歩道の入口が見えて来る。 ここは戸井線跡が自転車・歩行者道として整備され「緑園通」として開放されている場所だ。 住宅街の間を直線状に続く線路敷は程良く木陰もあり、朝の散歩には丁度いい。 だがさすがに五稜郭まで歩く時間もないので、見晴公園通を渡る鉄橋までで離脱、そのまま南下して湯の川電停へ。
ここからは市電車中の人となり、午後の旅程に備えて函館駅前へ向かうが、その前に寄らねばならない場所がある。 電車に5分ほど揺られて駒場車庫前下車、ここで箱館ハイカラ號こと30形39号と面会をするのだ。 ご承知の通り、これはそのルーツを辿ると成宗電気軌道の2軸単車デハ1形が元となっている。 その後改造され運行されて来たが、一部の消耗部品が入手困難な状況となり、残念ながら2025年度は定期運行を取り止めている。 敷地入口から奥を見ると、電車庫の隅の方に、小さな赤い電車がその愛らしい顔を覗かせていた。
ハイカラ號を表敬訪問した後は、午後からの移動に備えて函館駅へ。 でもその前に一旦5系統の終点である函館どつく前まで行って折り返して来る。 函館市電は学生の頃初めて函館に来た際、今現在運行されている区間は全線完乗しているが、当時まだ残っていた本線の五稜郭方面へ向かう区間ほか、乗り残したまま廃止されてしまった区間がいくつかあるのが心残りだ。
例によってここまで本当に行って来たように書いてますが、あくまでバーチャルな妄想脳内旅行ですのでお間違いなく。 この後午後からは、「はこだて旅するパスポート」の函館本線フリーエリアを乗りつぶす計画となっています。