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山田線 釜石行き列車(宮古駅)
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宮古〜釜石間
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快速「はまゆり」車内
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釜石線 陸中大橋付近
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釜石線 遠野付近
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馬面電車と旧花巻町役場
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旧花巻町役場(市民の家)
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花巻電鉄廃線跡
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東北本線電車(花巻駅)
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夕飯は「平泉うにごはん」

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〜 二日目:山田線,釜石線(2) 〜

ではここから南下を始めよう。 宮古より釜石までまだ山田線は続くが、これ以降は海岸線に沿って走る、これまでとは性格の異なる区間。 乗り込んだ釜石行きのディーゼルカーはほぼ100%の乗車率で、土曜日という事もあり観光客の比率が高い。 それはいいのだが、ロングシートに座った私の隣の団体さんが、私を挟んでボックス席の仲間と座ったまま精算(お昼代の立替だろうか)のやりとりをするので、目の前を札束がヒラヒラとあっちへ行ったりこっちへ来たり、目のやり場に困った。

海岸線沿いを走ると言ってもそこはリアス式海岸のこと、実際に海の見える区間はそう長くはない。 細かく繰り返される半島、その付け根の山中を横断し、湾の奥まった所に出て来た瞬間だけ、ごくわずかに海が拝めるようなあんばいだ。 陸中山田で地元客らしい人々は大半が下車してしまい、後は残った観光客を運んで列車は一路釜石へと向かう。 最後に少し長めのトンネルを抜けるといきなり街中に出て、鉄鋼の町、釜石へと到着した。

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キハ100系快速「はまゆり」(花巻駅)
パイプスカートが特徴的だ

5分の連絡で快速「はまゆり」が出るので、ホーム向かい側には既にそのキハ100系が待機している。 ただこれまでの100系と違い、車内は全てピッチの大きいリクライニングシートが並んでおり、背もたれにカバーも付いていてなかなかに豪華だ。 元々は急行のスジから来ているのだろうか、一両は指定席となっており、乗っている限りは見慣れたいつものあの気動車という感じがしない。

発車してしばらく走ると小佐野に停車、あとは快速運転で次々と駅を通過して市街地を抜け、山岳地帯へと分け入る。 途中の陸中大橋駅構内には、釜石鉱山の大きなホッパ跡がまだ残っていた。 ここを通過するとすぐに有名なループトンネルに入り、180度向きを変えてこの駅の頭上へと出て来る。 その先もまだしばらく山並みをいくつか長いトンネルで抜け、岩手上郷あたりでようやく遠野盆地へと下りてきて一息つく事になる。

岩手上郷を発車すると次の停車駅は遠野。 遠野は私にとって憧れの地でもあるのだが、残念ながら本日は下車して観光している時間的余裕はない。 そのまま乗り通して新花巻で新幹線の高架下を潜り、ようやく東北本線に戻って来て花巻駅で下車となった。 駅を出て地下道で西口側へ渡り、駅前からテクテクと10分程歩いて小さな公園を目指す。

そう、名物である花巻電鉄の馬面電車に会いに行くのだ。 歩いて行くと駅の南側から斜めの道路が伸びており、それがどうも昔の電車道だったらしい。 目的のそれは公園の一画に建つ、古い立派な建物に寄り添うように保存されていた。 屋根と網フェンスに保護されているので保存状態はすこぶる良いが、その分写真撮影が難しいのは致し方ない所か。 網の目の間から狙って部分的に何枚か撮ってみたが、それらをデジタル合成するとこんな写真が出来た。

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花巻電鉄デハ3(左の3枚を合成した物)
使用ツールautostitchは優れモノだ

その先軌道跡を少し歩いてみたが、おぉおぉ、なかなかグっと来るカーブがあるではないか。 でも次の電車の時間も迫って来ているので、涙をのんでこれ以上の深追いはせず、おとなしく花巻駅へと戻る事にした。 花巻からは一時間ほど電車にゆられ、本日宿泊の一ノ関へと移動。 途中、奥羽山脈の山稜へと沈んでゆく夕日が、電車の大きなガラス窓の向こうで茜色の雲と絡み合っていた。


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