たまご電車が行く 
 2000/05 

  「川越鉄道の面影」番外編

 沿線住民から「たまこ電車」、あるいは「たまご電車」と呼ばれる事もあったという多摩湖鉄道。現在は西武多摩湖線として、地域の足となり活躍している。

 萩山付近の路線の変遷については前回の探訪記で触れたが、そこから南の萩山〜国分寺の区間には、いくつかの廃止された駅がある。今回はその辺を中心に現地を見てみた。

Map
− 多摩湖線 
− 国分寺線 
− 玉川上水 




■青梅街道駅
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 多摩湖から萩山までいつものサイクリングロードを走り、デルタ線跡を通過して、まずは青梅街道駅へ。

 広い通りを堂々と渡る単線の踏切り。その脇にはこぎれいな御手洗が... いや失礼、これが青梅街道駅の可愛い小さな駅舎でした。だって、ほんとに小じんまりとしてるもんで...。

 この駅前踏切り、実は交差点にもなってまして、写真でもわかる様に頭上に道路信号が付いてますよね。青信号でも前方が渋滞してる時は要注意です。ちなみにこの駅、最初はもっと萩山寄りにあったそうな。





■武蔵野線:新小平駅
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 さて次はいきなりの寄り道ですが、青梅街道を西へ少し行った所にさらに目立たない駅があります。街道に沿ってちょっとしたロータリーがあるなと思ったら、そこがこの駅の駅前広場でした。

 しかし、裏手へまわってみるとほらこの通り。トンネルから出て来て、トンネルへと消えてゆく電車が、掘割の底の方でコンプレッサーの音を響かせています。

 この駅、武蔵野線「新小平」ですが、かつて集中豪雨後の出水騒ぎで水没し、長期間不通になったという前歴を持ちます。新聞でもだいぶ報じられたので、ご存じの方も多いと思いますが。





■青梅街道〜一橋学園
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 多摩湖線に戻って、南下を続けます。多摩湖線は、すぐ西側に平行して走る国分寺線と比較して、路線にカーブが多く見られます。

 かたや、蒸気列車の走る亜幹線として設計された川越鉄道。一方、小平学園都市への乗客を運ぶ地域路線として、こまめに停留所を設けた多摩湖鉄道。その性格の違いから来るものが、影響しているんでしょうね、きっと。

 しかし趣味的にはまことに魅力的な、Sカーブではあります。このあたり、さすがにカントは殆どついてない様ですが。





■一橋学園駅北側
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 小平学園駅跡付近

 線路に沿って進んで行くとSカーブの先に、やたら長い駐輪場があります。位置的にはちょうど、かつて小平学園駅のあったあたりなので、ちょっとくさい気もします。

 この駐輪場の尽きる所に小さな踏切りがありまして、そこを渡って線路の向こう側へも行ってみました。何となく駅前商店街の雰囲気のする街並みが展開しており、さらに怪しい雰囲気。裏をとったわけではないので、これは私の思い過ごしかも知れませんが。





■一橋学園駅南側
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 商大予科前駅跡付近

 沿線唯一の賑わいを見せる一橋学園駅前を過ぎて、今度はしばらく線路東側の側道を走ります。

 かつて商大予科前駅が存在したのはこのあたりかと思われますが、この駅はその後北側の小平学園駅と統合され、現在の一橋学園駅が出来た様です。

 商大予科は線路の西側奥手で現在は一橋大学、さらにその奥に津田英学塾(現津田塾大)、また東側には建設研修所(その後、建設大学校)などがあり、文字どおり学園都市を形成していた事がわかりますね。

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