奥多摩工業を巡る鉄道たち

2007/10

- 鉱内軌道 -

奥多摩工業氷川鉱山で使われていたトロリーロコが日原に保存されている、という話は以前から聞いていたのですが、これまでなかなか現地を訪れる機会がありませんでした。 今回、数人の仲間と共に日原鍾乳洞を訪問する事となり、そのついでにこの機関車を見学して来ましたのでご報告します。

休日の終点となる東日原の停留所でバスを降り、鍾乳洞へと向う観光客達とは日原街道を逆の方向に進んで行き、折り返して急な坂道を登ります。 やがて少々息があがりだす頃、目の前に目的の機関車が見えて来ます。 場所は日原小学校跡の校庭で、以前は校舎の建物脇に展示されていたようですが、現在は校庭の端っこに移動してあります。

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校庭の機関車
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小さなマスコン

水色の小さな物体は知らない人が見たら何かと疑問に思いそうですが、屋根上のパンタグラフはこれがまさに電気機関車である事を物語っています。 その無骨な外観とは対照的な警笛がわりのベルが可愛いアクセント、狭くて居心地も悪そうな運転室の中を覗くと、そこにはおもちゃのようなマスコンがちょこんと鎮座していました。 この機関車は三菱電機製の 6トン機、昭和31年製造で車番は No.1だそうです。車体の前部には黄色く奥多摩工業の社紋がペイントされています。

機関車の後ろには重々しいグランビー鉱車が一両つながれ、そのかわいい車輪を支持するフレームには「日立製作所 昭和32年」の銘板がしっかりと貼り付けられています。 フムフムそうか、君は私と同い年なのだなと、変に感傷的な気分になりました。 興奮しつつ、しばし歓談する声を誰もいない校庭にこだまさせた後、我々も他の観光客の後を追って鍾乳洞へと向ったのでした。

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グランビー鉱車
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鉱車の銘板
参考
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