Apr. 2018

八王子(JR)~ 京王八王子

というわけで、今回も手始めは身近な所から京王線となった。 拝島から八高線に乗ってやって来たのは八王子駅、ここから京王八王子駅へと乗り換えてみる。 もちろん過去に幾度となく利用して来ているが、また改めて今回の企画に沿った視点で歩いてみようという趣旨である。 階段を登り改札を出ると、通路は今日も多くの人々で雑踏している。 昨今は立川に押され気味な八王子であるが、新しい商業ビルなども増え、ここんところ少し持ち直して来た様にも感じる。

八王子駅(JR)八高線ホーム

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短い編成の八高線ホーム向かい側には中央線上りがやって来る

八王子駅(JR)北口

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ペデストリアンデッキより北口駅ビルを望む。モニュメントは左半分しかフレームに入らなかった

駅前は、多摩地区の中では早くからペデストリアンデッキになっている。 その中央には大きなモニュメントがあるが、これは桑都八王子の「八」の字に掛けた絹織物を象徴しているという。 振り返って駅前通りの方を眺めれば、京王系列のバスばかりが次々とやって来る。 階段を降り、いつもの道を京王八王子駅へと向う。

八王子駅前より京王八王子駅方面を望む

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北口駅前広場から斜め右手方向の道が京王八王子駅へと至る

京王八王子駅付近

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5分程歩くと、行く手に京王八王子駅ビル「K-8」が見えて来た

間の信号僅か1つ、徒歩5分程であっさりと駅ビル正面の京王八王子駅中央口に到達した。 …だけでは尺が足りないので(笑)、改めて少し周辺を観察してみたい。 このあたり、「八王子駅界隈の廃なもの」シリーズでも取り上げているが、初代の京王駅は少し先の甲州街道に面した位置にあり、「東八王子」と称していた。 その後、現在の駅ビル位置まで後退して2代目駅となり「京王八王子」と改称されたが、さらに平成に入って地下駅化され、これが現在の3代目の駅である。 初代駅跡の一部は高速バスの乗り場となっていたが、それも廃止されて久しい。

京王八王子高速バスターミナル跡

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かつてここにあった高速バスターミナル跡は、駐車場や京王タクシー乗り場となっている

京王八王子駅西口

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高速バスターミナルとして使われていた建物の一角に、駅西口の地下改札入口がある

その一角にひっそりと地下へ降りる「西口」の階段があるが、歴史を考えれば駅ビルの中央口よりもむしろこちらが由緒ある伝統の入口と言えるかも知れない。 階段を降りて行くとすぐ目の前にコンパクトな改札口が現れ、その向こうには発車を待つ電車の最後尾が見えている。 これは地下化と同時に、元の東八王子駅近くまでホームを延伸して来たからである。

京王八王子駅西改札口

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JR駅方面から遠い位置にある西改札。頭端式ホーム先端に位置するので、電車正面の見えるのが嬉しい

少しウロウロと観察をした上にJRから遠い入口の改札を入ったので時間はかかったが、乗換を行なうには充分近い距離だろう。 過去には駅をJR寄りに移転させる計画もあったらしいのだが、そのために確保された土地は結局使われず、現在は京王プラザホテルとなっている。 移転は果たせなかったが八王子駅前に地下道があるので、出来ればそこと繋いで雨天でも濡れずに移動出来るとさらに良いのだが。

所要時間★★★★★地図上約7分(探索含め今回約20分)
便利度★★★★☆近いが雨天時は難あり
面白度★★★☆☆付近の歴史など興味があれば

京王片倉~片倉(JR)

そのまま京王線で次の取材地へ向うつもりだったが、構内にある路線図を眺めていると、すぐ近くに該当駅がもう一つ存在する事に気がついた。 そこで、急遽次の北野で隣のホームに移動し、高尾線の下り列車に乗り換えた。 発車すると本線を右手に分け、勾配を駆け上がって横浜線の上を鉄橋で渡ればもう到着、目的地は「京王片倉」駅である。 ライバルの中央線ばかりに着目していたのでうっかり見落としたが、ここには横浜線の「片倉」駅も存在する。 基本は一社一駅で探訪をしようと考えていたが、未訪でもあるのでついでに乗り換えてみよう。

京王片倉駅下りホーム

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改札へ向かうホーム間連絡通路は地下にあり、跨線橋はエレベーター利用客専用である

京王片倉駅舎

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穏やかなカーブを描く屋根を持つ小さな駅舎、まさしく郊外の私鉄小駅の雰囲気を醸し出している

ここは御陵線として開通時は「片倉」駅だったが、戦中の不要不急路線で廃止されているうちに駅名を横浜線に取られてしまい、高尾線として再開した際に「京王」を付した。 対向式ホームの駅は丘陵地の端っこに位置しており、裏手は崖になっている。 改札口は線路下を構内地下道で潜った上り線側にある。 下りホームからそのまま崖下へ出られれば乗り換えには便利そうだが、そもそもここはそういう場所とは考えられていないだろう。 乗換案内で北野から片倉を調べると、八王子まで迂回して乗り換えろと出る位だ。

京王片倉駅前広場

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駅前から正面を見ると、ゆるい坂道を下った先を国道16号線が横ぎっている。JRの片倉駅は、そこを右手方向だ

国道16号との交差部

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高尾線の橋台が支障して歩道を設ける余地がなかったのか、道路脇の築堤にトンネルを掘ってある

さて、そんなのは無視して実際に歩いてみよう。 可愛い駅舎を出て坂を下ると目の前は東京環状の国道16号、そこを右手へ向い線路下を潜る「片倉歩道トンネル」を抜ける。 ここの交差部下り線のガーダーは御陵線時代からの物だそうだ。 さらに下って行くと「片倉町」の信号があるがそのまま直進。 道路脇の竹林には青紫の花が咲き誇っている。 これは場所柄カタクリの花?と思ったが、後で調べたらハナダイコンであった。 片倉の地名の由来はカタクリとの話を聞いた覚えがあったのだが、片側が崖になっている地形から来ているという説が有力なようだ。 私にとっては自転車の片倉シルク号が連想されるが、片倉財閥は諏訪の片倉家がルーツなので直接の繋がりはなさそうである。

道路脇の竹林

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車の通りが激しい16号線を歩きながらふと道路下を覗くと、竹林の中に青紫の華麗な花が咲いていた

片倉城跡公園入口

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車道を挟んで向かい側に片倉城跡公園の入口が見える。寄り道したい所だが本日は見送り

湯殿川を渡り右手に片倉城跡の小山を見つつもう少し歩くと、正面奥に横浜線の高架橋が見えて来て「片倉駅入口」の交差点。 ここを左折して住宅街の中を少し進めば、次の信号右手奥に駅前広場が現れる。 ここまで約15分、途中すれ違った人達も多いが、乗換え客なのかどうかは定かでない。 駅は現在改修中で、布で出来た仮の駅名標が緑の風を受けて小さくはためいていた。

片倉駅入口交差点

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国道16号はカーブの先で横浜線の高架下を潜るが、駅へ行くにはこの信号を左折する

片倉駅(JR)

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片倉信号場として開設されたが、昭和32年に「片倉駅」に昇格。京王高尾線の開業はその10年後だ

所要時間★★★☆☆地図上約10分(探索含め今回約20分)
便利度★★☆☆☆京王の改札が遠い側にある。国道を徒歩連絡
面白度★★★☆☆湯殿川、片倉城址(行ってないけど…笑)