京阪:京津線

明けて二日目、昨日は移動日だったので実質的に今日が乗り歩きのスタートである。 宿をチェックアウトしてまずは徒歩1分の浜大津駅へ。 ここは2018年に改名されて、正式には「びわ湖浜大津」駅だ。 京阪は既に10年前に全線完乗しているので今回のターゲットではないが、私鉄巡りを主眼としているので、京都までの移動手段としてJRよりもこちらを選択した。 モバイルSuicaで入構し、ホームへ降りて行くと石山坂本線の電車が発車するところだ。 新塗装(私にとって)の600形が坂本へ向けて走り去り、しばらく待つと同じホームに京津線の800系が静々と入線。 休日朝の8時台なので通勤客の姿もなく、閑散とした車内のまま駅を出ると、電車は道路中央を堂々と走って行く。 右へ左へ身をくねらせて逢坂山の南麓を越え、山科駅の先で地下へと潜り地下鉄東西線に乗り入れる。 なので、京阪本線に乗り換える為に「三条京阪」駅で降り、一度改札を出なければならないのが何だかモヤモヤする。 そして改めて改札を入ればそこは京阪の「三条」駅、ここから1区間だけ本線に乗り、祇園四条駅で京阪とはお別れだ。

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阪急:嵐山線、千里線、箕面線

朝から電車に乗り詰めで冷房の中に身を置いていたが、ここで阪急に乗り換えるため、地上へ出て徒歩で鴨川を渡る。 四条大橋から眺める鴨川の風景は開けていて気持ちが良いが、それにしても夏真っ盛りのこの暑さはさすが京都だ。 幸い、橋を渡り切り信号を過ぎれば、すぐに阪急の「京都河原町」の地下駅入口が見えて安堵する。 しかし昨今は駅名の頭に都市名を冠するのが流行りのようで、京都瓦町、大阪梅田、大阪難波、神戸三宮といった具合だ。 国内外の旅行者にも分かりやすいようにとの配慮だろうが、東京でやると東京新宿、東京渋谷みたいな命名になるのだろうか?

今日は阪急および阪神の未乗線区を踏破するのでフリー切符を購入する。 幸い「阪急阪神1dayパス」というのがあるので、有人改札へ行って購入。 阪急と阪神どちらも乗れて 1,300円なり。 これは両社経営統合の恩恵と言える?いずれにしろかなりお得な切符だ。 エスカレーターでホーム階へ降りると、そこには伝統のマルーン色を身に纏った電車が待っていた。 本日の初乗りターゲット第一弾は阪急嵐山線だから、3号線の特急に乗って桂へと向かう。 この発車番線を「何号線」と呼ぶのは阪急独特で、案内放送などが流れるとあぁ阪急だなぁという気分になる。

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四条通り下の地下区間から地上に出ると、桂川を渡ってほどなく桂駅に到着。 嵐山方面は橋を渡ってホームを移動し、1号線から発車となる。 嵐山線ホームで待っていたのは元特急車の6300系、観光路線だけあり、車内はセミクロスシートだ。 発車すると桂車庫を左に見ながら高架へと登って行く。 被りつきで前方を眺めていると、路盤も架線柱も複線幅があるが線路は一本だけである。 嵐山線は複線で開業したが客足が伸びずすぐに単線運行となり、残してあった線路も戦時に不要不急路線として供出されてしまったからだ。

走ること7分ほどで終点嵐山着。 開業時は6面5線という巨大な駅だったそうだが、今は櫛形3面2線のコンパクトなターミナルだ。 通常は中央の島式ホームが使われており、両サイドは多客時用臨時ホームとの事。 その先端はゆるやかなスロープで登っており、その先の建物2階に臨時改札がある。 ここは廃止されたホーム跡も残っているが、短い折り返し時間で駅前風景観察やトイレへ行ったりしてバタバタしているうち、写真を撮るのを忘れてしまった。

折り返す電車で桂駅まで戻り、特急に乗り換えて次の乗換駅「淡路」へ向かうが、途中の高槻市でホーム向かい側に古参の5300系普通を発見。 急ぐ旅でもないので特急からそちらへ乗り換え(本当は座りたかったのもあるw)、古式豊かでいかにも阪急なアルミ製の鎧戸などを観察する。 各駅停車しつつ京都線をゆっくりと進み、到着した淡路駅は高架化工事の真っ最中だ。

駅周辺にはコンクリートの巨大な構造物が林立している。 当初の完成予定から10年以上遅れているというこの連続立体化事業、遅延の要因は用地取得の停滞や土壌汚染問題、そして何よりもその複雑な構造が影響しているという。 駅ホームが京成の青砥駅のような上下線別の重層構造となるのに加え、駅東側でおおさか東線と新幹線を跨がねばならないからだ。 そんな雑然とした空気のホームで千里線の電車に乗り換え、北千里を目指す。 途中の千里山駅までは大正期の開通でカーブや踏切も多く、電車は街中を身をくねらせながら進んで行く。 千里山から先は昭和30年代以降に延長された区間で線形が良く、踏切も皆無で高規格な線区となる。

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終点の北千里は、中高層住宅が立ち並ぶ住宅団地の中の駅。 改札を出ると、駅前は多くの住民たちで賑わいを見せている。 滞在7分で折り返し再び淡路駅へ、というか千里線は京都線に直通しているので、そのまま大阪梅田駅まで駒を進める。 阪急の大ターミナル梅田駅は、いつ来ても電車がズラッと居並ぶ壮観な眺めに感心する。 ここから次に乗るのは急行の宝塚行き。京都、宝塚、神戸線の3線同時発車で淀川を渡り、十三で分かれて石橋阪大前へ。 次は阪急のルーツとも言える箕面線だ。

石橋阪大前駅のホームはデルタ状になっており、箕面線のホームは宝塚線から分岐するカーブ上に配置、そして箕面線内折返し用にY字の真ん中に突っ込むように配置された頭端式ホームがあるという複雑怪奇な駅構造。 こういうのは関東ではちょっと見られないので、その変態的な魅力にゾクゾクする。 箕面行きはその頭端式5号線から発車、待っていたのは7000系の4両編成。 走り出すと桜井、牧落と停車して、6分程ですぐに終点の箕面となる。 2面2線のシンプルな駅を出ると、山の中腹に箕面温泉の建物とその展望エレベーターが見え、ここは山裾に設けられた駅であるという事が分かる。 少し近辺を散策したいところだが、4分で乗って来た電車で折り返すので、私の箕面訪問は駅の写真を撮っただけで終わった。

photo 阪急 大阪梅田駅。マルーンの電車が顔を揃えてずらりと並ぶ姿は毎度圧巻だ