鉄分が足りない

昨夏の南九州旅以来18きっぷも買わず、しばらく列車にも乗っていなかった。 だいぶ鉄分も欠乏して禁断症状が出そうであるから、そろそろ旅に出ようと思う。 前回は熊本・鹿児島市電に乗ったので、引き続き今回も九州で残っているローカルな私鉄電車を乗り潰そうとの魂胆で計画を立てた。 そこでメインの標的となったのが北九州のインターアーバンこと筑豊電鉄、そして西鉄の異端路線であるところの貝塚線だ。 ついでに往路途中で宇部・小野田あたりに広がる旧国の巣窟(とうに主はいないが)にも寄り道したいと欲張った結果、例によって脈絡の無い話のような旅程になってしまったという塩梅なのである。

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文月某日、早暁5時に寝床を離れて家を出る。 早暁といいつつ、最近はこの時間に一度目が覚めて御不浄に通うような日も多くなって来たので、別段つらくもない。 歳をとるというのは便利なものだ。 いつものように青梅、中央線を乗り継ぎ、でも今回は東京駅へは顔を出さずに、湘南新宿ラインの快速で近回りして平塚へと抜けてしまった。 東海道本線を18きっぷで下る際は、東京駅から始発列車に乗るという自分なりの儀式が過去にはあったが、最近あまり拘らなくなって来た。 上野東京ラインの開通以降は東京始発もほとんど無くなってしまったので、これは致し方ない事だろう。