組み立て
これまでの成果を眺めつつ組み立ててゆく。車体が非常に脆くなっていると思われるので、窓の嵌め込みやネジ締めもオッカナビックリである。
しかし編成をバラしてそのまま机の上に置くと、連接車なので間が抜けた絵になってしまうな。工場などでは仮台車かなんかを履かせておくんだろうけども...。
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と、ここまで完成に近付いて初めて気がついたのは、特急車両のくせにトイレが無い! そう言えば、長電はトイレ付き車両を省いて編成を組んでいたのであった。それで、後付けでも作らねばという事で、窓に目隠し(0.5tプラ板)をし、車内には仕切りの壁を設けてそれらしく誤魔化したという次第である。
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仕切り直し
ところが、トイレを完成させて車両を連結したところ、幌がつかえて動きが固くなってしまった。これはどうした事か?と良くみると、目隠しとして窓の内側に貼ったプラ板が支障しているのである。もう少し薄い板に入れ替えれば大丈夫そうだが、いずれにしろギリギリなので、この際、工法を塗装に変える事にした。
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再び車両を分解し、当該箇所の窓ガラスを外してマスキング。先に、透け防止として窓間の柱部分を裏から黒く塗り、その後ホワイトを被せる。乾燥後に組み立ててみると、今度はバッチリだ。ついでに、トイレ下部の床下機器表面を若干削り、上からプラ板を貼り重ねた自作パーツを被せて、汚水タンクらしく見えるようにしておいた。
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インレタ
最後に形式ナンバーのインレタを貼って仕上げとする。シートは前回購入の京急1500用が残っていたので、それをそのまま流用。そう、インレタの在庫状況によって当社車両の形式番号は決定されるという、いい加減さなのだ。
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というわけで、このほど竣工したパノラマ特急車は、目出度く 1900形という事になった。レジェンドの流線型特急の方が 1700形なのだから、一応系列的には妥当な線だろう。他社では京阪の特急なんかも名車 1900系があったし。
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あと、この写真で気づいたのだが、車側灯と行先表示に色差しをしないといけないな。とりあえず時間のある時にでも、後からジックリとやる事にしよう。
完成です
完成しました~ しかし、増結1両以外は塗装を剥がして塗り直すだけなのに、何でこんなに時間がかかった?笑 そんな思いに浸りつつ完成ショットを撮っていたのだが、改めて感じるこの先頭部デザインの秀逸さ。程よいレトロ感と未来感を合わせ持つ、気持ち良い造詣が好きだ。ちなみにこの画像、編成の前面、中間、後部の各焦点で撮った写真3枚を合成したもので、実物っぽく見せるには良さそうな手法と思う。
ダブルデッカーは編成に入れると下のような感じ。他の車両(高床)と異なる構造だが、割と違和感なく溶け込んでくれた。この箱の客用ドアは段差無くフラットなので、ここから乗車して移動できる隣接車両(トイレ付)端部の数席分を低床とし、バリアフリー対応にしている。え?床から窓が高くて視界が...? そこはもちろん、電動のリフト台が装備されているのである。(とか妄想出来るのもフリーランスの良いところww)
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最後に本線上の馴染み具合を撮影。5両編成ながら車長の短い連接車なので、青砥ヶ谷駅のコンパクトなホームにも収まりが良い。まぁ実際のトコロ、この駅は通過されてしまう運命にあるのだが...。
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車両の通称は HiSEならぬ HtSE車とでもしようか。その心は Hot Spring Expressである。列車愛称は亀山温泉行きが特急「Spa亀山」、さらに、平成期に開通した新線を経て安房鴨川まで足をのばすのが「Costa鴨川」号となる。これに乗ればパノラマ席から、房総の緑豊かな丘陵展望を思う存分楽しめる事だろう。
(制作記:終)
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おまけ
最後にもう1本だけ投稿。収納をどうするかと考えた時に、この短い連接車用に普通の車両ケースを買うのはちょっと勿体ない気がして、製品箱をそのまま使う事にした。
それで、1両増えた分は右横に縦置きする形とし、発泡スチロールのベースにスペースを確保。工法としては車両の形に一旦くり抜き、そのブロックを薄切りにして底に嵌め込み木工用ボンドで固着、補強として裏から幅広のテープも貼るというやり方だ。
車両を収納した状態はこんな図となる。左下はアンテナやパンタ等の元々付いていた部品を入れたパーツボックスである。
外装箱の方も追加した部分の窓を開け、せっかくの自作ダブルデッカーが見える様にしておいた。写真では車両をそのまま入れているが、間には透明シートが1枚入っている。なお長期収納に関しては、発泡スチロールが劣化する事を自転車用ヘルメットの使用経験で知っているので、車両をポリ袋に入れた状態でこの箱に収める事にしている。
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