はじめに

当社には半ば動態保存車の様な存在となっている伝説の特急列車「りょうそう」1700形があるが、定期の有料特急運用編成が無いので今回制作に踏み切る事にした。どうせなら前面展望のパノラマ特急が良いだろうとの思いから、私の好きなロマンスカー HiSE10000形を種車に考えたのだが、いかんせんこいつのフル編成はうちの様な弱小私鉄には長大過ぎる。そこで、長野電鉄へ譲渡後の短縮4両バージョンが出ているのに白羽の矢を立て、これを改造して充当する方針とした。 改造と言ったってボディは基本的にそのまま踏襲するので塗装変更だけのお気軽工作、下回りも実車で考えると改軌が必要となるが、模型ならオリジナルの状態で利用出来るので手間いらずだ。

改造ベース

さて、TOMIX製 長野電鉄1000系「ゆけむり」4両編成モデルである。これを購人したのはもう1年位前になるが、その間じっくりと改造計画を立てていた。というのはウソで、新品購入したものに手を付けるのを躊躇し、寝かせていただけだ。でももう大丈夫、1年も経てば自分にとって新品感もあまりなくなり、さあ分解してみようかという気持ちも沸いて来る。

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編成

Img_4553.jpgパッケージに収まっている編成はこんな具合。上(湯田中側)から、1001、1011(動力車)、1021、1031の順である。連接車なので台車は編成両数+1で5個だが、当然ながらM車には両サイドの台車を設けて動力伝達が行なわれている。

IPA

Img_4558.jpg作業開始、まずは塗装剥離用にIPAを購入手配した。従来はシンナーで行なっていたが、今回はちゃんとやろうという事で...。漬け込む為の容器は、百均で購入した大き目のタッパーである。

テスト分解

Img_4575.jpg早速、塗装剥離の為の分解テストにとりかかる。ボディと下回りは2本のネジ(うち1本は台車軸兼用)で固定されており、それを外せば容易にバラせる。だがしかし、その先がちょっと悩んだ。ボディに嵌めこまれている窓ガラスが外せない。もしや溶着では?とも考えたが、よく見ると窓枠中央部に極小のツメがあり、ホディを少し変形させてこれを外せば簡単にとれる構造だった。
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塗装剥離

うまくバラせたところで、いよいよタッパーに入れてIPA漬けを決行する。ひとまずこのまま4日ほど放置して様子を見る事にしたものの、それで期間が充分なのか初体験なのでノウハウは無い。...って、違和感に気づかれたかと思うが、写真はHiSEでなく、ストックしていた先行テスト用のE233系グリーン車である。

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で、出来上がりは下写真の通り。何やら、まだ見ぬ中央線グリーン車の様相を呈しているが、何故か緑の帯だけ消えてこんな姿になった。車体下地にメッキが入っているのでシルバーは落ちないとは思っていたが(でもその上から重ねて銀塗装もされている様子)、ブラシでこすってもオレンジ帯が消えないのは想定外だった。

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塗装剥離(2)

で、続いて翌週に1両だけ実施した本番の方の出来上がりはご覧の状況。地色のホワイトは塗装が落ちず、赤い帯だけ消えてくれた。屋根もグレー塗装されている様だが、こちらも落ちなかった。まあ、それならそのまま使うまでなのでこの状態でも問題は無いが、せっかく張り切ってIPAを購入して準備万端整えたのに、何だか腑に落ちない結末となった。

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