旅程 3日目

野付半島

昨日は長距離だったので本日はポタリング程度にしようかと思っていたが、そういえばこの旅でまだ海岸を走っていないという事に気づき、急遽ハンドルを東へ向ける事にした。 目指すは野付半島、学生時代最後の長期休みに訪れた(今で言う卒業旅行か?)思い出の地でもある。 往復90km弱だから休憩見学など入れて6時間位、昨日とほぼ同じような距離であるが高低差があまり無いので多少は楽だろう。

国道272号線

ホテルの朝食バイキングで腹を満たした後、そろそろと脚の様子をみながら走り出す。 道は国道272号で、海岸の標津町まで一直線だ! と言いつつ、この主要幹線は北海道の平地を走る道路にしては珍しくウネウネしており、唐突にSカーブが出て来たりもする。 特に障害物らしきものも見当たらないのに何故だろう。 朝霧模様の原野の中をひたすら進み、同じ様な景色に若干飽きて来た頃、道は徐々に下り始め、遠く行く手に水平線が見えて来る。 「海だ!

しべつ海の公園

海に突き当たった所で272号は終了。 野付半島方面はこの丁字路を右だが、休憩も兼ねて左手少し奥にある「しべつ海の公園」へ。 ここは海に面した広い芝生が心地よく、オートキャンプ場もあるので家族連れにも人気のスポットだ。 宿を出てずっと走りっぱなしだったので、しばらく芝生の上に足を投げ出して海や空を眺めていた。

休憩の後は再びサドルに跨り、野付半島へ向かう。 と、その前にお昼の買い出しを忘れてはいけない。 標津の街中にはコンビニが3軒ほどあるが、ここを出てしまったら食糧調達や食事処は期待すべくもない。 先ほど左折した272号終点近くにセイコーマートがあったので、そちらでお握りを購入、ここの名物ホットシェフのお握りはサイズ大き目なのが良い。

photo 野付半島(Wikimedia より)

ここからは海岸線の国道244号を進み、途中で左手に分岐する道道950号で、いよいよ野付半島へと分け入る。 すぐに道路両サイドの民家も尽き、左右に海面の見える茫洋たる景色が始まった。 左手が国後島との間に広がる泊湾、右手は野付半島内側の野付湾である。

野付半島(道道950号線)

何もない半島をしばらく進むと最初に現れるのが「ナラワラ駐車場」、ナラワラとは立ち枯れたナラの木の林立地である。 そしてさらにその奥にあるのがトドワラで、野付半島ではこちらの方が有名だろう。 トドワラは、湿原上に立ち枯れたトドマツの残骸が広がっており、それらが荒涼とした特異な風景を成している。 ここはネイチャーセンターに自転車を停め、片道20分位歩いて行く。 以前訪れた時の記憶ではもっと立ち枯れがあったように思うが、残っている木は年々減り、近い将来消滅してしまうのかも知れない。 トドワラを見るなら今のうちだろう。

photo ナラワラ(Pakutaso より)※2018年撮影
photo トドワラ(Pakutaso より)※2018年撮影

その先はあまり観光客の入る事は無さそうだが、道がどうなっているのか興味があるので行ってみた。 但し一般車両の入れるのは道道終点(起点)までで、そこから先は許可を得ないと走れない。 徒歩で行くのは問題ないようだが、帰りの走りを考えると、そこまでの元気は出ない私なのであった(笑) 道はそこで舗装が尽き、頼りない砂利道の続く彼方には、白亜の野付崎灯台が見えていた。

道路脇に駐車場があったので、ここでお昼を食べた。 セコマのホットシェフで買って来た本日のお握りは、北海道らしい「すじこ」と「うに昆布」だ。 周囲は海と湿原ばかりで遮るものが無いので、見上げる空が広く感じられる。 駐車場にはトイレも併設されているが、トレーラーのタンクを再利用したのか?はたまたそれに似せて作ったのか、大変ユニークな外観であった。

道道950号起点

帰路は標津の市街地まで同じ道を戻るが、今日はまだ鉄ネタをしていなかったのを思い出し、旧根室標津駅跡を訪問。 この駅名は、別に士別駅が存在するので、読みが同じになってしまうのを避けるため頭に「根室」を冠したという事だ。 ここは駅舎やホームは撤去されているが、転車台(人力で回転可能な状態!)とC11が保存されている。 以前、冬の北海道を訪れた際、標津線に乗って夕刻にこの駅へ到着した。 その時に一晩の宿となった標津町ユースホステルはもう存在しないようだ。

根室標津駅訪問の後は、そこから西へ少し離れた場所にある「標津サーモン科学館」へ。 ここは鮭・鱒の生態系を扱う標津町立の科学館であるが、館内には数多くの標本や生体展示等も充実している。 また産卵期にはガラス張りの水路で鮭の遡上を観察出来るなど、大変充実した施設となっているのでお勧めだ。 サーモン科学館から国道272号へ抜けるルートは、スピーキングロード(旧メロディーロード)と呼ばれる道路。 舗装の特殊な表面加工により、車両通過時のタイヤ走行音がメロディーや音声となって流れる趣向だが、残念ながら自転車の速度では聞こえないとの事。

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そこからは、往路の国道を避けつつ裏道を通って帰って来たが、ホテルに戻る前に少し気になる場所で夜食の買い出しを。 中標津の市街地西南端にある大規模なモールは、その名も「東武サウスヒルズ中標津店」という。 あの東武がここまで進出しているのか?と思ったが、東武鉄道のグループとは無関係らしい。 行ってみると直営のスーパー始め品揃えはなかなかで、テナントも東京近郊で見かけるチェーン店が一通り揃っている。 さて、今夜の酒の肴は何にしようかな?

3日目を終え、「行かない」妄想旅も残すところあと一日。 明日午後の羽田便で東京へ帰らねばならないという事になりますが、宿をチェックアウトした後、午前中なら少し走れるかな? まぁ、あくまで仮想の輪行旅なので、別に何日延長したところで日程的には何の問題もないわけですが…(笑

(続く)