旅程 1日目

開陽台へ

本日はその中標津に投宿する計画になっている。 食事と食後のコーヒーをいただいたところでまだチェックインには早いので、足慣らしに少しどこかを走って来ようと考えた。 飲んだコーヒーが「開陽台ブレンド」となっているので気になって調べてみると、ここから自転車で50分程の距離に「開陽台展望館」というのがある。 宿とは逆方向だが、いま15時前なので、往復して17時頃には戻って来れるだろう。 ということで、空港を出て道道150号を北西へとペダルを踏む。 走り出して感じる道路自体は私の地元の主要道と大差ない作りであるが、どこまでも真っすぐなのはやはり関東近辺とは違う。 途中に「遊食人市場 開陽館」というのがあったので、後で買い出しが出来るか?と思ったが、どうも今は営業していないようだ。

photo ミルクロード(フリー素材:PhotoAC より)

やがて丁字路に突き当り、案内に従って左折すると、ミルクロードに入る。 その名前の由来は、牛乳を出荷するタンクローリーが走る一直線の道、という事だそうだが、これぞ最も北海道らしい道路の景観と言っていいかも知れない。 しかしながら、貧弱な脚の自転車乗りにとっては、登って降りての繰り返しとなるのでそうも言っていられないが(笑) 周囲に森林地帯と牧草地の繰り返しを見ながらしばらく走ると、右手に開陽台方面に分岐する道が見えて来る。 ここは取っつきが入口と出口の二手に分かれていて、それぞれ一方通行なので要注意だ。

開陽台は標高270mの台地上にあるので、グルっとカーブを切った後はしばらく我慢の登坂が続く。 急坂ではないものの、たるみ切った足腰にはジワリと効く登りだが、登るほどに周囲の風景が開けて来るのに救われる。 やがて右手に駐車場が見えて来たので、その片隅の柵に自転車をロックして円形の建物の展望台へ。 そこはまさしく地平線の見える、330度大パノラマの素晴らしい世界だった。 眼下に広がる広大な根釧台地、近く聳える武佐岳、その背後遠くには知床連山、そして牧草地の中には北海道遺産にも指定された格子状防風林も確認出来る。


開陽台からの眺め

茫洋な景色を眺めつつしばらくボーっとしていたが、日も傾きつつあるのでそろそろ宿へ向かおうか。 坂を下った後は元来た道と違うルートを楽しみつつ、中標津の街中へと降り立つ。 今宵の宿はこちらをチョイス。 中標津町では一番老舗で格上のホテルらしいが、これから何日か前線基地となるので多少は贅沢をしても良いだろう。 とはいえ、条件によっては朝食付きで7~8,000円プランもあるので、内地に比べると比較的リーズナブルであるとも言える。 夕食はホテルのレストランでも食べられるが、せっかくなので少し歩いて噂の海鮮居酒屋へ。 地元客中心のようだが、カウンター席でも炭火焼きが出来るのが、おひとり様の旅人にとっては好都合だ。 そうそう、食事が済んで宿へ戻る途中にコンビニがあるので、夜食の買い出しも忘れずに。 やはり北海道に来たらサイクリストにとっても、セコマは生活必需品なのである。


中標津中心街

なんか、書いてるうちにますます本当に行ったような錯覚に陥って来ました。 さて一日目が終わり、第二日目はどちらへハンドルを向けようか… いくつか候補はあるものの、実はまだ考え中です。 さしあたり明日の雲行きを心配する必要もなく、だって頭の中の天気は常に都合よく快晴ですからね(笑)

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