18. 野山北公園

横田谷戸からその入口まで降りて来て、次は今シリーズ最後の谷戸へと向かう。 住宅地の狭い道を北上して行くと、広い車道の丁字路に突き当たる。 この右手角には「村山温泉かたくりの湯」があるが、今年3月末から一時休館中。 なんでも、運営する事業者が契約期間満了となり、後継業者が見つからなかったとの事で残念だ。

丁字路を左折し、浅い谷を詰めて行く。 その名が定かでないが、最後に訪れる谷戸は「村山市立 野山北公園」。 この近辺、狭山丘陵一帯は「都立 野山北・六道山公園」となっているが、その中の一角に村山市の「野山北公園」があるという少々紛らわしい入れ子状態だ。

進んで行くと左手に管理事務所とトイレが見えて来るが、その前に駐輪場があるので自転車はここへ停め、徒歩で奥へ。

谷戸の入口付近はその地形を活かした釣り堀となっている。 ここは主にシニア層の社交場として機能しているようで、朝から多くの人達が釣りを楽しんでいた。

釣り堀エリアを抜けると、ようやく谷戸らしい景色が展開し始める。 谷戸の真ん中に「学習園」と記した立札が立っているが、岸田んぼと同じく農業体験学習の出来る教育施設となっているのだろう。

さらにその奥の方の遊歩道は木道となっており、程よく日差しを遮ってくれる木陰の下、気分良く静かな散策を楽しむ事の出来るのが有難い。 谷戸の対岸にも道があるが、そちらは少し高い位置から谷戸を見下ろすように続いているようだ。

一番奥手で谷戸左右の道は合流するが、その地点には小さな四阿が。 そよ風が気持ち良いので、ここのベンチに腰かけてしばらく休憩を…

ヨッコイショと座って見下ろす谷戸の景色。 今日はまだ朝早いので何も持参して来ていないが、お腹が空いたら、ここで色濃い緑を眺めながらお弁当を広げるのも良さそうである。

四阿すぐ下にある湿地帯の一角には水芭蕉が植わっている。 このあたり、3月頃にはカタクリも見られるとの事だが、残念ながら今の季節は時期外れ、また花の咲いている頃に訪れてみたいものだ。

野山北公園の一言感想

以上で一通りの探索を終え、帰路はおなじみ羽村山口軽便鉄道跡の野山北公園自転車道と残堀川を繋いで家路へと就いた。 残堀川の上には、地元の幼稚園児達の作った鯉のぼりが、お腹へ五月の風をいっぱいに受けて泳いでいた。

今回で本シリーズはひとまず終了とするが、実は目を狭山丘陵の北側へ移すとまだ多くの谷戸地形が残っている。 都側の野山北・六道山公園内にもいくつかあるし、埼玉県側にも西久保湿地を始め多くの谷戸が存在するようだ。 次の機会にはシーズン2としてこれらを巡ってみたい。

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