掲載:2013/09

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BENOTTOの翌年に作ったこの自転車は、奥様(当時は結婚前)と一緒に走りたいがために誂えたスポルティフだ。 彼女の身長に合わせて選んだサイズは 24インチのタイヤで、ショップにあった吊るしのフレームをベースに組んだものである。 それは日米富士自転車の「オリンピック」、コンパクトなクロモリの赤いフレームだ。

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足回りはフロントシングル、リアは5段、パーツ関係の詳細はもはや覚えていないが、シマノあたりのエントリークラスだったような気がする。 サドルは女性向けのアナトミクス、ホィールの固定は予算の関係でクイックでなくウィングナットを使用している。 これはかなり固く締める必要があるので、分解組立時は私の出番となる。 ハンドルは最後まで悩んだ筈だが、結局ノーマルなドロップになっているのは多少その後の自転車乗りとしての発展を期待しての事だったろうか。

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だが結果としては、この自転車が実際にそのミッションを果たしたのは記憶の範囲で数回に過ぎない。 結婚して夫婦となった後も、本来の用途では一度くらいしか引っ張り出されておらず、しばらくはベランダで人知れず保管の日々だった。

それが一躍日の目を見る事になったのは、通勤用として私が乗っていたシルクが老朽化し、その代替を用意する必要にかられた時である。 小さくてポジション的に無理はあるが、まあ会社との往復各20分程度なら我慢して乗れない事はないと考え、転用して使い出したのだ。 それが、本格的に乗ってみて初めて分かった事だが、この自転車のブレーキ、普段は別段問題ないものの雨の日は全く効きが悪い。 信号で停止する時など、油断すると滑って交差点内に突っ込んでしまいそうになり、必死でレバーを握り込むのだった。

ただ、その後引っ越しで会社までの通勤距離が近くなり自転車通勤自体をやめてしまった事もあって、さほど長い期間は乗らなかった。 それから又しばらくはベランダで眠りについていた赤いオリンピックだが、彼女が出来た輪友にアベックラン用としてある日貰われていった。 その二人も目出度く所帯を持つ事となり今に至るのだが、この自転車の存在が功を奏したのかどうかは聞いていないので謎である。

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