2025年5月に 東京都建設局公式チャンネル で公開された、多摩都市モノレール 上北台~箱根ケ崎 区間の完成イメージ動画。だいたいにおいて前回の記事「多摩モノレール延伸」で沿線を歩いて予想した通りの姿なんですが、JR箱根ヶ崎駅前の 仮称No.7駅 が予想とだいぶ違っておりました。
場所的には「駅位置の考察」で上げた中の最初の案に近いですが、実際は都道の直上でなく東側寄りになるようです。 JR駅への連絡も、デッキでなく一度駅前広場の地上へ降りて移動する形のイメージ図になっていて、これだと雨の日などは大変そうですね。 一部に屋根ぐらいは設けてくれるのかも知れませんが。
また横田基地の航空制限を受ける事から、他駅よりもかなり低い位置にホームが出来るようです。 下図は参考資料としてあげた説明スライドからの引用ですが、青梅街道上の一般的駅構造としては地上からの高さが屋根最高部20mで設定されています。
それに対し箱根ヶ崎付近に設置されるNo.7駅では、航空制限により地上高は13mとなっています。 この制限により、この駅ではホーム下に改札階を設けるとほぼ地上レベルの高さとなり、JR駅へ向かう為に車道を渡る必要が生じてしまいます。 その為には横断歩道か歩道橋を設ける事となり、駅間連絡の利便性が著しく劣る事となるように思われます。
ではこの問題をどうやって解決しているのかというと、地上視点の動画にヒントがありました。 これをよく見ると、モノレールの停車しているホーム位置から先にさらに建屋が伸びており、その向こうで道路を渡る構造となっているようです。 つまりホーム終端部に改札口を設け、その同一面上を延長して通路としているわけです。 通勤時間帯は編成先頭部側に乗換客が集中して混雑しそうですね。
これで駅構造としては一応丸く収まったように思えますが、一つ重要な問題が残っています。 それは、この構造だと軌道終端部の先が通路で塞がれてしまい、ここから羽村方面への延伸が不可能となる事です。 羽村ルートに関しては現状は構想レベルで、具体化は遅々として進んでいないようですが、こうなると羽村方面への延伸推進にとっては致命的な障害。 また何らかの回避策があったとしても、その先で八高線の上を越すのは高さ的に不可能なわけで、新青梅街道のように地下で立体交差させるか又は制限区域外まで北進するしか無くなります。 これについて東京都都市整備局は過去の説明会で、「駅改良しつつ制限回避出来る箇所から延伸が可能」と回答しているようですが、何れにしろなかなか課題が多く、羽村ルートの実現は厳しそうですね。
参考資料
- 多摩都市モノレール(上北台~箱根ケ崎)区間 完成イメージ動画
- 説明スライド資料(PDF) 北多摩北部建設事務所 事業概要及び用地測量説明会(令和7年5月)
- GoogleMap