2021/01

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上北台駅北端の軌道終端部。若干左にカーブした状態で途切れ、車止めが設置されている

2020年1月に発表された多摩モノレール箱根ヶ崎延伸のニュース! 上北台~箱根ヶ崎間の通称「箱根ヶ崎ルート」について、東京都は整備を進める方針を固め、この年4月より基本設計に着手することを公表しました。 多摩モノレール延伸に関しては他に、町田ルート(多摩センター~町田間)、八王子ルート(多摩センター~八王子間)など複数の計画がありましたが、これにより箱根ヶ崎ルートが先行開業される見込みとなります。 都はこの計画について事業費を800億円と見積もっており、新年度予算にはその基本設計に資する予算として1億円が計上されています。

多摩モノレール延伸計画
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※東京都都市整備局「多摩都市モノレール延伸検討」を参考に作図

同ルートについては延長7kmの区間に、公式には未定ながら7駅ほどが設けられるとの話もあり、都内で唯一鉄道の無い武蔵村山市にも悲願の駅が出来る見込みとなりました。 又、新青梅街道のモノレール導入区間となる上北台~箱根ヶ崎間(約6.7km)は、交通渋滞解消の視点から、都が2005年に幅員を現在の18mから30mに拡幅する都市計画変更を行ない、既に工事が進んでいます。 現時点では2025年3月末までに全工区の事業を完了する予定となっており、その後に軌道桁工事を行なって2032年頃の開業が見込まれているとの事です。 というわけで、気になる延伸区間の現況を自転車で少し覗いて来ましたので、以下簡単にレポートしたいと思います。

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上北台付近

上北台は相対式2面2線の多摩モノレールとしては標準的な駅構造、但し終端駅なので南側(立川方)に折返し用の分岐器が設置されています。 延伸後も一部列車が上北台止まりとなれば、この分岐器は今のまま折返しに使用されるものと思われます。 北側は過走対策として少し軌道が延長されていますが、新青梅街道を箱根ヶ崎方面へ向かえるよう、既にこの部分から左カーブが始まっています。 その先は現在駐輪場の敷地となっており、この上空を通過して新青梅街道の方へ向かうものと思われます。 街道に沿った部分にも駐輪場は続いており、こちらも拡幅用地として確保されているようです。


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上北台~箱根ヶ崎間

上北台から新青梅街道を西へ向かうと、随所で道路拡幅工事が行なわれているのが目に付きます。 位置的には道路南側を広げる箇所が目立ちますが、北側で工事の行なわれている所も点在します。 既に移転済みで空家となっている建築物もある一方、古くから営業していると思われる商店等は、まだ交渉が進んでいない所もある様子です。 また、近年建てられた沿道の商業施設等は、予め拡幅敷地分を後退させている所が多くなっています。 気になる武蔵村山駅の位置ですが、村山市役所や市関連施設、またイオンモール等へ至近という事を考えると、榎3丁目(スタバ付近)から本町1丁目(多摩大橋通りとの交差点)の間あたりと予測します。


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箱根ヶ崎付近

ずっと新青梅街道を進んで来たモノレールは、都道166号線(バイパス開通以前の国道16号)との交差部を右折して北上し、箱根ケ崎駅前へと向かいます。 この都道166号はモノレールに対応する為、いち早く2018年度までに拡幅を完了しています。 広い歩道の166号を少し北へ走れば、すぐに左手が開け箱根ケ崎駅東口となりますが、この駅前ロータリーも道路と一体で整備されたものとの事です。

※地名は箱根ヶ崎だが、JRの駅名は箱根ケ崎(大きい)となっている。


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箱根ケ崎駅

箱根ケ崎駅は2004年に橋上駅舎化が完了し、翌年に東西自由通路が竣工、2012年には西口広場も完成しています。 日差しの入って明るい通路は壁面がガラスになっており、モノレール駅からの連絡通路を繋げるのも容易な構造の様に見えます。 箱根ケ崎駅の表玄関は昔からある東口ですが、そのせいか敷地はあまり広くはありません。 それに比べると西口は最近整備されただけあり、ゆったりと余裕のある作りになっています。


国土画像情報(国土交通省)より 2019年写真
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駅位置の考察

ところで、モノレールの箱根ケ崎駅はどの位置に開設されるのでしょうか? もっとも可能性が高そうなのは、北上して来た都道166号の直上にそのまま設置する案です。 試しに上北台駅と同サイズの駅構造を空中写真に重ね書きしてみましたが、これなら何とか収まりそうな感じ。 但し、JR駅との間に駅前広場を挟む形になるので、乗り換え時に連絡デッキを歩く距離が少し長いです。

別案としては駅前広場へと斜めに突っ込む形が考えられます。 これだと乗り換えは近いですが、長さ的に先端の車止め部分の桁が収まらず、また広場へ入る左カーブもきつ過ぎますね。 ならばいっその事、八高線上を通り越して余裕のある西口へ持って来るのはどうでしょうか? 写真だと凄く収まりが良いのですが、経路上に道路が無いのと、建設費用の増えそうな点が懸念されます。 将来の羽村延伸まで考えると西側でも良いとは思いますが、働きかけは継続されているものの構想自体が果てしなく不透明ですし…


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狭山池公園にて探索後の一休み。残堀川はこの池から流れ出ている

ひととおり観察を終え、近くの狭山池公園でお昼も兼ねて少々の休憩タイム。 住宅地の中にヒッソリ佇む狭山池には、時々水鳥の羽ばたく音が湖面に木霊しておりました。 まだまだ世の中もザワついていますが、これが続くと、行く行く都財政のモノレール計画にも影響が出るんじゃないかと少々危惧しつつ、食事を終え家路につきました。

参考: