~ 最終日:山陰本線&伯備線 ~

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松江~米子(山陰本線)

旅の最終日は5時半起床。 例によって帰路は新幹線を使うので余裕日程の筈だが、岡山でなく新大阪からの乗車にしたので、そこまでの移動をも18きっぷで楽しもうという寸法だ。 早朝6時過ぎにはチェックアウトを済ませ、宿を出て松江駅まで歩く。 宍道湖やそこから流れ出る大橋川の水辺の佇まいが目に優しいが、今日も朝から暑さにやられている。 松江駅有人改札で18きっぷに本日の日付を入れてもらいホームへ行くと、昨日新山口で貨物列車事故発生との報が流れており、どうやら桃太郎機関車が脱線したようだ。 これは山陽本線に影響が出そうであるが、後で通過する事になる岡山当たりは大丈夫だろう。

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早朝の松江駅。前回以降の変化点は、ICカード対応と商業施設が出来た事位か

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松江駅からまずは山陰本線で米子へと向かう。 車窓はしばらく大橋川沿いに走り、中海大橋が見えて来ると中海の沿岸に出る。 寝不足でウトウトしつつ、東松江、揖屋(いや)、荒島と停車し、安来節が全国的に有名な安来(やすき)駅を過ぎれば次はもう終点の米子となる。 乗っている車両は俊足キハ126だが、車内が空いているせいか冷房が効き過ぎで、米子までの30分の間で体が冷え切ってしまい身震いした。 出がけに防寒着を用意するかどうかで迷ったが、結局持って来なかったのを後悔する事しきりであった。

米子~岡山(伯備線)

米子の乗り継ぎは15分となかなかの好ダイヤだ。 ここからは伯備線の電車となるが、やって来た車両は115系1000番台の黄色い岡山色のG編成。 これはワンマン化対応の2両編成だが、例によって片側の先頭車は切妻のゲテモノ顔で興をそがれる。 だが乗ってしまえば外装などどうでも良く、車内は転換クロスシートが快適で有難い。 おまけに後部運転席が全面一枚ガラスの全室構造なので、流れ去って行く景色の見通しが最高というメリットも。 おかげで途中の黒坂駅で、出雲へと向かうサンライズとの離合が良く見えた。 一方で座席から見る車窓の方は、この区間の売りである大山の頂が雲に覆われてしまっており、今一つの眺望であった。

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とって付けた感のある115系1000番台の改造新設運転室

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列車は淡々と2時間程走って伯備線、芸備線、姫新線の集まる要衝、新見駅に到着。 30分ほど待って、ここからの伯備線最後の列車は最新型の227系「Urara」であった。 この電車は倉敷を経てそのまま岡山まで行くが、そこで山陽本線に乗り継げばここ新見駅から新大阪まで5時間弱となる。

思えば今回の旅も日程を詰め込み過ぎで、なかなかに忙しいものだった。 本来なら松江滞在で前回の様に市内観光などもしたいところだったが、暑さにへこたれて結局大半の時間を車中で過ごすことになった。 でもその分、木次線に全線乗って出雲坂根の三段スイッチバックも堪能出来たのは収穫だったと思う。 訪問する前にみすみす乗り逃がしてしまい、後で悔しい思いをした三江線のような存在もあるのだから。

そんな事を考えているうち、新見から小一時間ほど走って日羽(ひわ)という小駅に停車。 トンネルとトンネルの間に広がる小さな盆地状の地形の上に設置された高架駅だから、おそらく線路付替えか何かによって出来た新しいものだろう(後で調べたら意外と古かった)。 見晴らしの良いホームから眺める周囲の景色が素晴らしい。 ライムグリーンの田園地帯、背後の山並みは緑濃く、その背景には青い空にムクムクと立ち上って来る夏の白い雲。 窓の閉まった車内なので分からないが、おそらくホームに佇めば気持ちの良いそよ風が吹いているものと思う。 すぐに発車してしまったので一瞬の間だったが、何故か心に残る景観であった。

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高架上で見晴らしの良い日羽駅のホーム

電車は吉備高原の山間地帯を縫って快調に走って行く。 相変わらず空いていて快適な車内のシートに陣取り、そうしていると車窓を眺めながら何もする事が無い。 私は、何もする事がなくただ車窓をボーっと眺めていられる幸せを心から味わいつつ、岡山へと向かって走る電車の揺れに身を任せていた。(終り)

駅名時刻列車
松江 0648122D
米子 0725
0736822M
新見 0930
1001850M
岡山 1133
12131314M
相生 1318
1321956M
姫路 1340
13423474M(新快速)
新大阪1449
153098A(のぞみ98)
東京 1757