大井町から東京方面の電車に乗り、もう今日はこれで帰ろうかと考えていたが、ふと思いついて品川で下車。 階段を上がると目の前には京急の乗換改札が待っている。 ちょうどやって来た快特にしばらく揺られ京急蒲田へ。 この駅を観察しようかとも考えたが、高架になってあまりにも新し過ぎて少々気が引ける。 元より、ここで分岐する空港線は本線からの直通列車が中心だから、さほど乗換駅という感覚も沸かないのだ。 で、そのまま多摩川を渡って京急川崎、やはりここだろう。 言うまでもなく、京急大師線への乗換駅である。
2面4線のシンプルな構造だが、18m級×12両編成に対応した長いホーム
案内表示の「大師線のりかえ」「川崎大師ゆきのりば」が目立つ
階段を1階へ降りて行くと、停車中の大師線電車が右手に見えた
ドアが開くと多くの客が降車、本線は緩急接続の出来る2面4線の長い高架ホームだ。 階段を降りて行くと高架下は天井の高い通路になっており、そこを東側へ抜けると地上ホームが見えて来る。 この構造は上野駅をそのまま縮小した様な形で、少々下町的な空気が流れている感じもする。 電車の行先がお大師さま方面であるというのも何気に情緒があって良いものだ。 大師線の方は櫛形2面2線の乗降分離ホームで、川崎大師への参拝客が一時期に集中する為、短線区の割には全体に余裕を持った作りになっている。 ただ、櫛形の頭端部が降車客が通る通路としては少々狭い気がするが、多客時には乗降ホームを逆転させる事もあるらしいから大丈夫なのだろう。
2面2線の大師線乗り場。3番線が乗車、2番線は降車専用、1番線は臨時等で使う
通路は狭いが一応頭端式ホーム。混雑時等は乗降ホームを逆転する場合もあるそうだ
ホームで発車を待っていたのは1500形の4両編成。 ここを最初に訪れた頃は名車230形、その後最近の訪問時には初代1000形の残党がまだ活躍していたが、今はこの形式が中心の様だ。 ホームの端っこから北側を覗くと、何本かある留置線の脇に高架の本線から坂を降りて来る連絡線が見えた。 実は大師線も近く線路改良が予定されているわけで、大きく様変わりする事になる。 全線がほぼ地下路線化され、川崎駅ホームも本線と直交する形の地下駅となるというのだ。 その際にはこの連絡線も新たに付け直されるらしい。
大師線ホーム先端部を観察。奥手のホーム上空では京急川崎駅前ビルが工事中
大師方面の線路。右手から大師線、留置線、そして高架から降りて来る連絡線
本線と大師線の連絡通路は、かなりゆったりとした空間になっている
大師方面からの電車が到着した。ホームは乗り換え客で一気にごった返す
中央口のズラリと並んだ自動改札を抜け、駅前の繁華街を歩いてみる。 既に地下トンネル構造体が土台として準備されているというDICEビルの角を曲がる。 その先で現在工事が進む京急川崎駅前ビルは、大師線の上に人工地盤を設置する形になるそうだ。 裏通りを少し進むと大師線のホーム横手に出た。 こちら側から覗くと地上の大師線と高架の本線の電車が上下2層に重なって、なかなか良い眺めである。 付近のビル傍らに立つお地蔵様も、こんな風景を気に入っているのだろうか。
本線高架下の中央改札口。ズラリと並んだ自動改札機はさすが主要駅の貫録
改札を出て外から大師線ホーム横へ向かう。建設中の京急川崎駅前ビルの前を通過
高架脇にある大師線ホームを外から観察。ここは京急電車が2段重ねで楽しめる場所
大師線ホーム向かいの可愛いお地蔵さん。このビルは納骨堂なのだそうである
駅前の「銀座街」商店街まで戻って来ると、そのアーケード下では路上チャリティコンサートの準備が始まっている。 ちょうどお昼をまわり、気温はますます上昇中。 さすがに日向を歩き過ぎてクラクラして来たので、ここらで冷房の効いた地下街に逃げ込んで、アイスコーヒーでも飲みながら一服するとしよう。
さすが川崎のアーケードは立派である。右手前ではコンサートの準備中