JR:加古川線

粟生駅は2面3線の駅舎のある対向式ホーム側の端部に頭端式の神鉄ホームが寄り添う形で、全体としては3面4線だ。 加古川線を挟んで一番向こう側の乗り場では、夏空の下、北条鉄道の気動車が発車待ちをしている。 駅構内にトイレが見当たらなかったので、改札を出てすぐ右手に併設されている「あお陶遊館アルテ」のを拝借。 どこか中南米風の駅舎など撮りつつ戻って来ると、既に加古川線の電車がホームに入線していて焦る。 だが、ここで列車交換をするようで、すぐには発車せず助かった。

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乗り込んだ125系は、加古川線電化後に導入された両運転台の一般形電車。 この時間帯は単行で運転されており、山陽本線と接続する加古川駅が近づくにつれ、車内の混雑が激しくなって来た。 所要20分あまりで加古川に着き、7分乗り継ぎで新快速に乗り換えれば姫路まではわずか10分だ。 姫路に着いたら駅前から白亜の白鷺城にご挨拶、そしてデッキを渡って山陽姫路の駅へと移動。 いかん、今朝から靴擦れの足を胡麻化しつつ来たが、段々とつま先の痛みを感じるようになってきた。 残りは本日のラスト、山陽網干線だけなので何とかなるか?


山陽:網干線

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山陽電鉄は網干線だけピンポイントで乗り残しており、他路線は完乗済なのでフリー切符は買わずSuicaで入構した。 前回(2013年)は未対応であったが、その翌年から相互利用対応となったようだ。 さて、これから向かう山陽網干とはどんな所だろう? JRの新快速では網干行きを良く見かけるが、山陽網干駅はそこから南へ向かって徒歩1時間程度の距離にあって、これは乗換徒歩駅の 練馬駅 級の遠さだ。 そんな思いを抱えつつ、待っていた6000系普通に乗車、市街地を7分程走れば乗換駅の飾磨(しかま)に到着。 乗って来た電車はここが終点かと思ってノソノソしていたら、すぐに発車する雰囲気。 車内の行き先案内をよく見ると、飾磨でなく須磨行きだったので慌てて降りる。 どうも「須磨」と「飾磨」の見た目が似ているので、部外者には間違いやすいかも。 飾磨は2面3線の駅構造で、網干線は本線の上下線に挟まれた中央の2番線から発車する。 網干方面からやって来たのは同じく6000系だが、こちらは支線なので3両編成だ。

発車すると右カーブする本線と分かれ、飾磨車庫を右手にみつつ直線的に進む。 築堤を登ってしばらく行くと高架線となった。 運転室の後ろの席には母親と子供が陣取っており、前方に見える何かを指差しながら会話している姿が微笑ましい。 その二人も途中駅で降りてしまったので、代わりに私が運転室後部の被り付きに陣取る。 網干線は全線に渡って複線分の用地が確保されているそうだが、高架橋自体は単線幅しかない。 が、地上に降りると線路脇に緑の空地が続いており、必要となれば複線化が容易な敷地の確保されている事が分かる。 整然と並ぶ住宅地の中を途中で列車交換しながら進み、飾磨から17分で終点の山陽網干に到着だ。

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駅は1面2線のシンプルなもので、ホーム先端部が駅舎となり改札口がある。 折り返しの若干の時間で外を見てみたが、ごく普通の郊外の駅前風景が広がっていた。 網干線はここから相生を経て赤穂方面に延伸する構想もあったようだ。 つまり「山陽」の名が示すように、兵庫を出て岡山地区への延伸を目論んでいたという。 すると、飾磨から姫路への区間は支線となり、むしろこちらが本線となった可能性があるという事だろう。 一見中途半端な支線に見える網干線だが、そんな背景があったとは知らなかった。

網干訪問を終え、これで山陽電鉄も全線の乗車を完了した事となる。 満足感に浸りつつ姫路へ戻り、18きっぷで新快速に乗って本日宿泊の三ノ宮へと向かった。 阪急、阪神、神鉄、山陽と完乗を達成して良い気分だったが、翌日の新幹線で帰る途中に今回の移動経路を復習していたら、阪急千里線の淡路駅から南側の区間を乗り残している事に気が付いた。 この線の起点である「天神橋筋六丁目」といえば、かの新京阪のターミナル「天神橋」駅がそのルーツだ。 これは再び関西訪問を果たさねばならないなぁ…と反省しつつも、口実が出来て心ひそかにほくそ笑みつつ東京へ向かう私なのであった。

photo 三ノ宮駅から宿への移動でポートライナーに初乗車。但し1区間のみ(笑