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 さてこのあたりには、貨物線以外にも興味深いものが残っていますので、少しご紹介しましょう。


 その一つは、入間川に残る単線時代のガーダー橋です。 この付近は、昭和44(1969)年に複線化されましたが、その際旧橋梁の老朽化と、橋前後の曲線緩和の目的で、線路の付け替えが行なわれました。 その結果、旧橋梁はお役御免となりましたが、現在までそのままの姿で残されています。
 もう一つは、飯能駅付近の短絡線です。地図でも明らかな様に、飯能駅はスイッチバックになっていますが、秩父への直通列車や貨物輸送等のために、ここを短絡する線路は当然考えられる話しだったと思います。 西武としてもそれを念頭に置いて用地を確保していた様ですが、東武鉄道と繰り広げた秩父への乗り入れ合戦も一段落し、貨物輸送もなくなり、さらに飯能駅も一大ターミナルとして発展してしまった結果、ここを通過する短絡線の意味は急速に薄れてしまいました。 結局、線路は引かれないままに今日に至っており、市街地の中に不思議な空間として存在しています。



旧入間川橋梁
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(写真:5)
 入間川橋梁付近の現在の姿です。向かって右側が複線化された後の現在のもの、左側に黒々と渡っているのが単線の旧橋梁です。 廃止後30年近く経っていますが、今でもレールさえ引けばすぐにでも再使用出来そうなほど、しっかりとして見えます。

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(写真:6)
 橋脚、橋台はいずれも美しい煉瓦積みのものです。橋台の脇を遊歩道が走っており、すぐ近くまで行く事が出来ます。 ちなみにここの新橋梁の方は桁下高が極端に低いので、自転車に乗ったままくぐるのには、頭をぶつけない様に注意が必要です。(経験者談 ~~;)

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(写真:7)
 橋の前後には、ごく短い距離ですが付け替え前の線路跡も残っています。元は当然ながら築堤だったと思いますが、現在は平らにならされた細長い空地として存在しています。


飯能短絡線
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(写真:8)
 さて最後に飯能駅の方へ行ってみました。写真は池袋方の短絡線分岐点ですが、変電所を境に画面中央やや右の草むらの方へと路盤(となるべき用地)が伸びています。 しかし池袋線の列車密度はたいしたもので、写真を撮ろうとすると必ず電車がフレームインして来ます。写真は秩父へと向かうNRA(New Red Arrow)のおしり。

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(写真:9)
 短絡線予定地に沿って、東飯能駅の方へと進んでみます。地面には、過去に駐車場として使われた様なマーキングがしてありますが、現在は全くの閉鎖状態です。 周囲の柵は柱がレールで出来ています。この様な怪しいカーブ(と、この場合は言うのだろうか ^^;)がずっと東飯能駅手前の踏切まで続き、そこで右手から八高線、左手から西武線が合流して探索完了となりました。

 この後はいつもの様に、駿河台大学脇の坂(私のお気に入りコース)を登って金子経由で帰途につきました。ちなみにこの日は、この冬最初の冬型気圧配置のさぶ〜い日、早朝の物好きポタリングレポートとなりました。橋の上なんてツルッツルに凍ってたもんね〜。


参考:
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