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[ フォト・レポート : 飯田町駅 : 万世橋駅 | 歴史とマップ ]
甲武鉄道えき巡り  2005/07

少し前、とあるセミナーで水道橋を訪れた時のことだ。ふと見上げると、セミナー会場の収まる真新しい高層ビルのてっぺんに、JR貨物のロゴが貼ってあるのに気が付いた。会場に入って裏手の窓越しに外を覗くと、下を走る中央線からこちらへ向かって扇形の敷地が広がって来ている。そう、よくよく考えてみるとここは以前の飯田町貨物駅跡。そのルーツはかつての甲武鉄道ターミナル、飯田町駅なのだ。つい数年前までは、このビルの位置から奥手にかけても線路が延びており、都心では珍しくなった 2軸の有蓋貨車が留置線に連なっていたものだ。

さて甲武鉄道にはもう一つのターミナル、というよりターミナルになりそこねた駅がある。それは有名な万世橋駅。ここは東京駅にも似た煉瓦積みの美しい駅舎を誇っていたが、すぐに東京方面への高架線が開通してしまったため、終着駅としては殆ど機能しなかった。現在は交通博物館となっている事もご存知の通りだが、近々大宮へ移転してしまうので、そのうち博物館跡と呼ばれるようになるのかも知れない。今に残る駅ホームには夏場は草が生い茂り、電車の通過に合わせてそよそよと涼しげに体を揺らしている。


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