- 曳舟から四ツ木 -
曳舟駅は京成線の中でもおそらく最も狭隘な…と言うより鰻の寝床のようなと形容した方が適切かも知れないが、なにしろ極端に細長いホームだ。 駅敷地の無い線路脇に無理やり相対式ホームを設けたという感じだが、果たして調べてみると、以前は1ブロック押上寄りにあったものを、前後の踏切が邪魔でホーム延長が出来なかったのでこちらに移転して来たものだそうな。 しかも改札口が各ホーム両端にあり、駅構内に上下線ホームを連絡する術は存在しないという異端ぶり。 ラッシュ時の状況はわからないが、優等列車も高速で通過して行くそのホームは、黄色い線の内側と外側の幅が大して変わらないような…。
ここから少し道路を歩いて有名な向島駅と白髭線の跡を見に行ったのだが、長くなりそうなのでその件は別項に譲りたいと思う。 ちなみにこの曳舟駅を含む前後の区間は連続立体化の工事が着工されているので、もう少しすると狭いホームも多少改善されるのかも知れない。 曳舟〜八広間では既に高架工事のための仮線用地の確保が行なわれていた。 再び駅に戻り、やって来た電車に乗る。
どうもこの時間帯は都車に良くあたるが、デザインがイマイチ決まらない(と私は思う)5300形に揺られて、八広駅へ。 先ほどの探索で少しお疲れ気味なので結局ここでは下車しなかったが、高架化と共に上り下り線共用の退避設備が出来ている。 また平成6年までは荒川駅と称していた駅だ。 発車するとこれも架け替えになったワーレントラスの荒川鉄橋を渡るが、以前は川面までの桁下高が低いガーダー橋で、下を通る船が衝突する事故も頻繁にあったらしい。
次の駅、四ツ木で電車を降りる。 こちらも八広と同期して新装成った高架駅だが、追い抜き設備はなく、対向式の広いホーム。 駅を出て歩き出す。荒川を渡る電車の絵でも撮ろうかと思ったのだが、目の前には広い道路と高い堤防が立ちはだかっている。 渡る信号もずっと迂回しないと無いようなので、早々に踵を返して旧線の跡を見に行く事にした。 旧線とは、京成電軌時代の併用区間の跡だが、これまた少々濃い探索になったので別記事として白髭線と共にまとめたいと思う。
旧線跡の探索を終え、四ツ木駅の改札を入ろうとして「あっ」と思った。 ポケットを探るものの、今朝ほど錦糸町駅で買って来たパスネットが無いのだ。 カメラと同じ場所に入れていたので、どうやら撮影の際に一緒に飛び出して落としてしまったらしい。 パスモ化も近いし、今日は千円分を使い切る覚悟で臨んでいたのだが、これは少々痛かった。 仕方なく切符を買い直し、とりあえず京成立石までの一区間、駒を進める。