■川越電気鉄道(西武大宮線) (2)  

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沼端〜黒須

16号から伊佐沼へと分岐する道に入ってやっと一息。ここからしばらくは、排気ガスを吸い込まずにノンビリと走れる自転車向きの廃線トレールだ。左手に伊佐沼が広がった所で地図を再確認しつつ少々休憩。新河岸川への本流はここから流れ出しており、先ほどの古びた橋の下を通って下流へと向かう。
朝から多くの釣客が出てるが、ピタっと風一つない湖面は鏡の様に空を映し出し、その下にどれだけの魚が潜んでいるのかはここからは見えない。釣り人の動きも止まっているが、それはそれで楽しい時間なのだろう。なんて、人の事言ってられる程の行動はしてない、ってのは私自身も自覚してます、ハィ。(^^;)

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7. 伊佐沼
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8. 沼端駅付近



沼の先で廃線跡は車道から右へと分岐し、一段細い道となって田んぼの中を進む。さらにもう一度右へ分かれ、左右に若干民家が建ち並んで来るあたりが黒須の駅跡。ここに、この沿線中唯一と言える貴重な遺構が残っているのを某掲示板で教えて頂き、探し当てる事が出来た。

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9. 緑の絨毯
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10. 黒須は右へ



それはほんのちょっとした用水の流れを越える場所なのだが、煉瓦積みの立派な橋台が現存するのだ。残念ながら近年流れが改修された時に橋台も諸共コンクリートで固められてしまった様で、根元の方は無残な姿だが、露出している上部だけでもなかなかの眺めではある。これは何としても残しておいて欲しいものだ。

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11. 用水路の橋台
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12. 下半分は埋められている



黒須〜荒川

その先はさらに細い道となるが、ハンドルをまっすぐにズンズンと進もう。行き止まりだって事はわかっているのだが、行けるとこまでは行かないと気が済まない。彼方には、目の高い位置に濃い緑の帯が行く手を長々と遮っており、その土手の向こうには広大な河川敷が横たわっているはずだ。その帯に行き着く手前、堤防のこちら側にも蛇行した小川と池が行く手を阻んでおり、私は道路の終点で自転車を止めた。

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13. 荒川へ向かってまっすぐと
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14. 淀んだ池、荒川は土手の向こう



この大きな水溜り、実は甘く見てはいけない。後で昔の地図と照らし合わせて良くみると、これこそが当時の荒川の本流。という事は、川越電鉄はここで荒川を渡っていた事になる。橋は予算の関係で木橋だったらしいが、今ほど川幅は広げられていなかったので、地図上で見積もっておよそ100mあまり。それでも台風等で川が荒れた時には、流失防止の重しとして電車を一両橋の上に停めておいたという、嘘のような話もある。

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左:当時/右:現在



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