元町の歴史的建物群を見て回って少々歩き疲れて来たが、次は二十間坂を下って港の方へ。 その名の通り道幅が二十間(約36m)ある二十間坂だが、ここもやはり大火に備える防火帯の役目を担っている。 坂を下り切って電車通りを横断し、次の信号を左折すると交差点角には「日本最古のコンクリート電柱」が立っている。 文字通り現存するコンクリート電柱では日本最古の物で、その四角い断面形状が特徴的だ。 これが立てられた1923(大正12)年当時、電柱は木造が主流だったが、大火の多い函館に対応するためコンクリートの耐火仕様で造られたとの事。
さらにそのまま海の方へ進んで行くと、岸壁手前には「赤い靴の少女きみちゃん像」が現れる。 きみちゃんは童謡「赤い靴」の元となった実在の少女で、哀しい運命を辿ったという事がMAPコメントでも語られている。 野口雨情の童謡が「横浜の埠場から船に乗って…」とあるように横浜を舞台とした歌詞であるのに対し、歌のモデルとなった少女「佐野きみ」とその母親の生涯は北海道の大地に根差した実話だったのである。
日本最古のコンクリート電柱
赤い靴の少女きみちゃん像
| 電停名 | 時刻 | 電車 |
|---|---|---|
| 十字街 | 1306 | 函館市電 5系統 湯の川行 |
| 函館駅前 | 1312 |
さて現実に戻ると、実はその手前に見逃してはならない景観がある。 道路に沿って函館の2大ご当地ストア、「ハセスト」ことハセガワストアと「ラッキーピエロ」が並んでいるのだ。 ハセストは名物やきとり弁当、ラッキーピエロは勿論ハンバーガーが有名だが、ちょうどお昼も近くなるし、このどちらかで昼食を調達して食べようかと画策していた。 結局この日はクチがハンバーガーに傾いたので、ラッキーピエロの店内に入る。 レジ前にはこれから注文の客が3~4名並んでいたが、待つこと10分程で順番が来て注文を受けてくれた。 ここは定番のチャイニーズチキンバーガーをメインにした「ダントツ人気No.1セット」を発注。 待ち札を受け取り席を確保して待つことしばし、やって来たバーガーはなかなかのボリュームで、こってりソースのポテトも相まって、小食派の私には少々胃に重いランチとなった(笑)。 なので、昨日寄っている金森倉庫は省略して十字街から電車でホテルに戻り、食休みを兼ねて午後の惰眠を貪る事にした。
「ハセスト」と「ラッキーピエロ」
ラッキーピエロ(ダントツ人気No.1セット)
青函連絡船 摩周丸
午後は大いに復活して14時頃から起き出し、函館港で展示館となっている青函連絡船「摩周丸」を見に行く。 船に横付けしてあるデッキの階段を登り、受付で入館料500円を払って船内へ。 入って正面が2階にあたり、そこから3階へ登ると海側はグリーン座席の並んだ部屋、自由に座れるので窓際に腰掛けてしばし船旅気分を味わう。 その脇には青函連絡船の歴史展示があったが、青函トンネル建設の引き金となった洞爺丸事故以外にも、かなりの数の海難事故が起きているのは知らなかった。 それらは座礁、防波堤接触、そして戦時中は空襲、触雷などによる沈没が多くを占めていた。
摩周丸 模型
摩周丸 操舵室
4階の船首の方では無線通信室や操舵室も開放されており、束の間の船長気分に浸れる。 甲板を通って4階後部は多目的ホールで、ここには普通座席が再現されている。 座席と言っても床に雑魚寝するスタイルで、学生当時の私はもっぱらこの座席利用だったので懐かしさもひとしおであった。 出来れば1階の車両甲板も覗いてみたいところだが、そちらは未公開で残念、青森港にある八甲田丸の方は公開しているらしいのだが。
摩周丸 無線通信室
摩周丸 普通座席
摩周丸 列車積込用ゲート部
帰りに駅構内の売店で家へのお土産を確保して一旦宿へ戻り、16時頃から夕飯の買い出しに出かける。 駅コンビニで一通りの食品を買い込み、駅前にあるハセガワストアへ赴く。 今夜のメインはハセストのやきとり弁当、昼間は見送ったが、やはり函館に泊まるなら一度はこれを食しておかなくてはならない。 ハセスト函館駅前店はビルの1階にあり、その前を通ると焼鳥を焼くにおいが換気口から漏れていて食欲をそそる。 それにしても入口が狭いな…と思いながら入店すると、すぐにその理由が分かった。 他の店舗は一般のコンビニらしい品揃えなのだが、ここはやきとり専門の店なのである。 そしてこれは全店共通だが、やきとり弁当は棚に並べて売られているのではなく、注文してからその場で焼き上げてくれるオーダーシステムなのだ。 店内にある注文伝票に自分で記入してそれをカウンターの店員に渡し、焼き上がりを待つというスタイルである。
ハセスト やきとり弁当
焼きたてホヤホヤのやきとり弁当を受け取ってホテルへ戻り、コンビニで購入しておいた味噌汁などを合わせて、この旅程最終夜の豪華な?夕餉とした。 ちなみに函館をはじめとする道南地域では、焼き鳥というと鶏肉でなく豚肉。そんなやきとり弁当、ご飯は(小),(中),(大)等の各サイズ、そして味付けはタレ、塩、塩だれ、うま辛、みそだれ、の組み合わせで選べる。 私は塩だれ(小)を購入して来たが、中身は海苔を被せたご飯の上に焼鳥串3本が仲良く並んでおり、小食なのでこれだけでもお腹いっぱいになった。
なお、本日は函館夜景の予備日としていたが、ライブカメラには夕刻からずっと絶望的な光景が映り続けていたので、さすがにこれは中止せざるを得なかった。 前回訪問時はケーブルカーで登るまでは行ったが、頂上駅に着いた途端に周囲は霧に覆われて何も見えなかったので、結局こちらの目標も今回リベンジを果たせなかったという事になった次第である。