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そこからしばらく坂を降りると下から登って来る本道にようやく合流する。 ここまで等高線沿いに楽をするつもりであったが、なかなかそうは問屋がおろさないもんだ。 その本道を登って来たバスがエンジンを猛烈に吹かしながら、今にも止まりそうな速度で目の前を通過していった。 重そうなエンジン音を聞いただけで坂の急さ加減に辟易するが、観念して再び地面を蹴り、走り去ったバスの後を追う。 この道は瑞牆山荘方面へ向かうメインルートなのだが、本谷釜瀬線という名の付いた立派な林道である。 また、清里から塩山のあたりまでを繋ぐ延長70km近くのクリスタルラインという、観光コースの一部も成している。 覚悟を決めて登り出したものの、少し行ったらあっけなく瑞牆山荘の建物の前に飛び出して気が抜けた。 苦労して林道をまわって来た効果が多少はあったのか?
ここは古くからある山荘のようだが、瑞牆山へ登る人達の定宿なのだろうか。 そんなお客さん達を運んで来たのか、先ほどのバスが山荘の脇で熱くなったエンジンを静かに休めている。 さぁ、今日はもう登らなくて済むぞ、と気持ちがようやく軽くなる瞬間がやって来た。 ここから塩川ダムを経て韮崎まで、延々の下り坂が楽しめる筈だ。 まあ先も見えたしゆっくり行くか、と考えつつ走り出すものの、いつの間にかスピードに乗ってガンガン下ってしまうのもいつもの通りだ。 登りでは暑く体に纏わりついた空気も、緑の風となって気持ちが良い。 右に左にハンドルを切りながら、自転車と一体になって細い急坂をどこまでも下る… いや落ちて行くと言った方が実感に近いかも知れない。

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