山の頂きの方は日向になっているが、狭隘な谷底にはお日様の光が届かない。
じっとしているとすぐに体が冷えてしまうので、地面を蹴って再び走り出す。
しかし相変わらずの急坂に耐え切れず、車も全く来ないのをいい事に、道幅一杯を使って自発イロハ坂走行へと切り替える。
時々確認のため後ろを振り返るが、今登っている道の急傾斜がありありと分かって、さらに疲労度が増す結果となるのだった。
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道はようやく集落の中の里道から森林地帯へと入って来た。
普通だとどこかで坂が落ち着く場所があるんだが、この道は全く容赦なく、ここまで来てもまだグイグイと急角度で登り続ける。
しばらくしてやっとどん詰まりまで到達し、林道はここで沢を渡って90度向きを変えている。
やれやれと大休止モードで荷物を路肩に投げ出し、地図を広げる。ここからは折り返してピークまではもう一登りだ。
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