実に艶っぽい、それでいてペーソスあふれる作品。 荷風の墨東奇談の世界そのものと言ってもいいかも知れない。
別名「浅草十二階」とも呼ばれた凌雲閣。 人質の女性と共に屋上から気球で脱出する怪人二十面相、それを追う明智小五郎。 塔の足元には警官が多数、ワラワラと駆けつけて来ている。
何でも扱うサムライ商会。 外国からのお客様に仏像を!?
稲荷神社前のチャイニーズバー、そこから流れるテレサ・テンの「何目君再来」(ホーリー ジュン ザイライ)、そんな世界を夢想しながら作られた作品。
東京湾の河口に近い漁師町・浦安のいにしえの姿。 船宿の積み重なったような建物が印象的で面白い。
桟橋脇の水面に舫いである屋形船には浴衣姿の美女が一人。 中からは三味線の音が聞こえて来そうだ。