青梅の昭和幻橙館を初めて訪問した。 前々から行きたいと思っていたが、意外に近くにあるこういった施設はいつでも行けると油断して後回しになりがち、こういうのも灯台もと暗しと言うのだろうか? ここには山本高樹氏の作品が常設展示されている。 青梅アートフェスティバルでの展示が縁で、以後常設化されたものだそうだ。 昨今の何でも「昭和」ブームにはいささか食傷気味だが、氏の作品は生活感が出ていてとても好きだ。
会社勤めでも通勤時間のわりと短い方ならご覧になっているかも知れない、NHKの朝の連ドラ「梅ちゃん先生」。 ここでオープニングのタイトルバック映像に使われているのが山本氏の作ったミニチュアの街並みだ。 私は冒頭の5分位で家を出ないと遅刻してしまうのでストーリー自体はあまり見る事が出来ていないが、オープニングのテーマソングが流れるあたりは毎日眺めながら支度をしている。 蒲田近辺をイメージしたと思われるこの作品、今のところまだ青梅の幻橙館には来ていないが、そのうち展示品に加わってくれないかと密かに期待をしている。
青梅駅から昭和幻燈館までは徒歩10分ほど。 改札を背に正面の青梅街道へ出て左折、右手に昭和レトロ商品博物館や青梅赤塚不二夫会館、左手に住吉神社の鳥居が見えてくればその先道路左側にある。 多少迷っても良いのなら、適当に裏路地を抜けて行くのもまた酔狂で面白い。
ここは昭和レトロ商品博物館の別館だそうで、入口には青梅出身の久保板観氏による映画看板が展示されている。
開館時間の10時少し過ぎ、館員さん?の女性が前の歩道を掃除していたのでまだ早いかなと思いつつ「もう開いてますか?」と尋ねると、「どうぞー」との事で一緒に建物の中へ。 元々は商店だったような作りで建物の半分にお菓子や飲料等の商品棚、もう半分が展示室となっている。 その商店側のレジで入場券を購入して早速展示室へ。 中はかなりコンパクトだが、何たって主だった展示物がミニチュアなんだから、それも当然と言えばまた当然か。
昭和幻橙館では展示品の撮影は自由(フラッシュもOK)との事なので、作品が持つ何とも粋な空気を皆さんにも存分に感じて頂きたいと考え、なるべくたくさん撮ってきた。 というわけで、ありがたく以下の写真を公開させていただく事にしたい。 但し、やはり写真では実物を3次元で見る以上の感動は伝えられないので、興味を持った方はぜひ一度ご自分の目で見てもらいたいと思う。
山本氏が、つげ義春氏の旅行漫画に憧れて手がけた作品。 モデルとなりそうな秘湯をあちこち訪ね歩いたそうだが、さすがに今の世の中、茅葺き屋根の温泉宿なんてそうそう残ってはいない。 仕方なく、自分の中のイメージで作り上げた物であるとの事。
ちょび髭のおやじさんが露天風呂に入浴中。 湯桶の徳利ですっかりいい心持ち。
旅館の脇には渓流が流れる。 吊橋の上では湯上りの連れ?が物思いにふけりつつ涼んでいる。
実は青梅は猫の町でうっているのだが、意外と地元でも知らない人が多かったりする。 「青梅猫町通り」、この奇妙な路地に迷い込むと、まわりが全て猫の世界に見えて来る。 そしていつの間にか自分も…
雪国の「雁木」(がんぎ)のある市の風景。 例年大雪が降り積もる越後十日町が舞台。 人々が正月の準備に勤しむ中、屋根の上では雪かきに精を出す人達もみえる。
この建物は尾道に実在するものを忠実に再現してあるそうだ。 但し、実際に遊郭であったかどうかは不明との事。 坂道、石段、そして窓から漏れる温かい灯に魅了される。
これは懐かしい縁日の風景。 夜店に提灯、見世物小屋には電気人間の看板。 そして小屋の裏手では、悪たれ小僧がただ見の最中。