車体仕上げ

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Img_4754.jpgこのあたりで車体を仕上げておこう。ボディの接合部にパテを盛り、何日かおいてよく乾燥してからカッターナイフで荒仕上げ、次いで耐水ペーパーで水研ぎをしてゆく。大体平面になったと思ったら、一度全体にサーフェイサーを吹いて目視で確認を行ない、さらに不足箇所を磨いて行く。

根気よくやったものの、ステンレス車体特有の段差表現なども邪魔して、なかなか完璧にとは行かなかった。ちなみに細かい部分の水研ぎには写真の様なものを何本も作り置きして使っている。耐水ペーパーをΦ3程度のポンチで抜き、楊枝の頭に接着した簡易工具である。

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クーラー

出来上がったボディを眺めていると、屋根が非常に寂しい状態だと気付く。それもその筈で、特急用車両のくせに今どき冷房が無い!という事態だ。車端部をカットした際に、ク一ラ一もそちら側に持って行かれてしまった結果なのである。グリーン車に元々付いていたクーラーは車体にフックで嵌め込む形だが、その部分は屋根が段差になっていた。だから、それを今の丸屋根にそのまま搭載すると、高さが車両限界を超えてしまうという問題が発生する。

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かと言って、ク一ラ一を収める為に今から屋根をくり抜くのは無理だし、だいいち長さを詰めたボディはその屋根裏部の接ぎ板で強度を保っている。さてどうしようかと思案しつつパーツボックスの中をガサ入れしていると、GMの集中式クーラーで比較的薄めのやつが一つ残っていた。で、それの裏面を削りに削ってペラペラにした上で2分割し、屋根に貼り付けて理め込んだ風を装うという形で決着をつける事とした。

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ク一ラ一の固定位置だが、内側のラインをボディの接合部と合わせて隠す手助けにしている。なにしろこの屋根は波板状になっているので、パテ盛りのみでの隠蔽は難易度が高いのだ。

車両の分解

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増結ダブルデッカーの形が出来たところで、残っている他の車両もIPA浸けの為の分解に取り掛かる。動力車はボディが下回りとフックで嵌合しているだけなので、裾を若干広げてやればネジ無しで分解が可能。先頭車はネジを抜いた後は窓ガラスも容易に分解する事が出来る。

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先頭部及び運転室のガラスは外側へ引っ張って外す構造が意外だったが、プラボディの厚み分だけガラスが外側でつらイチになるよう成型されているので、物理的に内側へ抜くのは不可能なのだ。これは、考えてみれば自ずから分かること。分解が出来たら前回と同じくタッパー容器に沈め、1週間ほど漬け置く事にして様子を見る。

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塗装剥離(3)

さて塗装剥離の状況だが、漬けてから一週間ほど間をおいてブラシで擦ると、前回と同じく赤帯は難なく落ちた。さらに驚いた事に、テスト時には変化のなかった地色の白も、今回はボロボロと落ちだしたのである。

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これは何故だろう?使い古したIPA液の方が効果があると、どこかのサイトに書いてあった様な気もするが、そのせいだろうか。となるとテストに使った中間車が中途半端な状態になっているので、それも加え、さらに一週間ほど液に浸しておく事としようか。

車体色検討

odq10000.png塗装剥離の漬け込みを行なっている間に、最終的な車体色をどうするか考えよう。方向性としては当社の基本色を踏まえつつ、特急らしい華やかな色合いにしたい。一方でボディには、さしたる改造も施さないので、塗色だけで小田急っぽいイメージから脱却しないといけないという課題もある。長電のように、ほぼ元の塗り分けを活かすという手もあるが、ここは少々冒険もしてみたいのである。


odq10000_1.pngたとえはボディ地色は暗めのグレーとし、当社1700形の赤(赤2号)を帯色に巻いてアクセントとするのはどうだろう?これは欧州の特急列車などで割と見かける色の組み合わせであるが、国内ではコラボカラーを除いてはあまり採用されてはいないようだ。いや、気がつくと実は、SEに始まるかっての小田急ロマンスカーの伝統色がこれに近い(グレーはもっと明るいが)かも知れない。やはり赤系統では小田急イメージを払拭できないし、考えたら名鉄の元祖パノラマカーも赤系であるスカーレットだったっけ。


odq10000_2.pngであれば当社の基本色は諦め、ガラッと変えて寒色系ではどうか?海を目指す特急列車という事で、有りがちではあるが、ブルーと白の組み合わせ。最近の例では近鉄の「しまかぜ」が近いが(但しあちらは空の青)、私の連想するのはむしろSNCF(仏国鉄)のTGV(Duplex等)が使っているような青である。これに、白い砂を想起させるホワイトを組み合わせるという案。そう言えばかつて、内房・外房線に「青い海」「白い砂」という快速列車があったっけ、などと昔のことを思い出す。

塗料購入

というわけで、とりあえず使う可能性のある塗料をひととおり手配してみた。左から、スーパーホワイト(光沢)、グランプリホワイト(光沢)、エアスペリオリティブルー(光沢)、スカイブルー(光沢)、インディーブルー(光沢)、キャラクターブルー(半光沢)、スージーブルー(光沢)である。最後のだけ容量が異なるのは、Mr.カラー GXシリーズだからで、より高性能との事でお値段も若干UPとなっている。

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ブルーは実際にテスト塗装してみないとどれがシックリくるか分からないので、何種類か見繕って購入した。もちろんこれら全部を使う事は無いし、この後ひょっとすると気が変わって、どれも使わない... なんて事態になるかも知れない(笑)