クリエータ ID: パスワード: ※クリエータ以外の方は投稿出来ません。 特集No. [51] 特集タイトル 特集URL 特集コメント 2005年春、長年運行されてきた名鉄岐阜市内線・美濃町線・揖斐線が廃止される。すでに路面電車衰退の時代は過ぎ去り、国レベルでも路面電車を復権させ、21世紀の都市交通手段としてLRTを盛り上げていこうとしていた矢先の出来事であった。岐阜の路面電車の赤字額は大きく、民間企業の独立採算では存廃がおぼつかない状況であった。また、行政当局が路面電車に極めて冷淡であり、停留所に安全島すら設置できなかった。 路面電車を運行する名鉄は手をこまねいていた訳ではなかった。鉄軌道事業者にできる最大限の努力として、ダイヤと車両の改善を矢継ぎ早に進めていったのである。特に、車両面では複電圧車の導入、高性能連接車の導入、国産初のノンステップ車の導入など当時の日本の路面電車の中でも最新鋭の技術を持った電車を投入して行った。赤字続きで行政の対応も冷たい岐阜市内線へ、路面電車の公共性を信じて最新技術を導入し続けた名鉄の努力は他に代え難い。 2005年春、万策尽きて岐阜の路面電車の歴史は幕を閉じる。しかし、僕たちはここまで苦難な状況の中で闘い続けた赤い電車たちのことを忘れない。ここでトレインバナーとして彼らの面影を後生に伝えたい。 岐阜で活躍した電車たちは、その性能の良さを買われて福井や豊橋に移籍してゆく。彼らが岐阜で果たせなかった、公共交通を通じた都市の再生という夢。新天地で彼らがその夢を実現することを祈りたい。 修正 削除