クリエータ ID: パスワード: ※クリエータ以外の方は投稿出来ません。 特集No. [44] 特集タイトル 特集URL 特集コメント 日本の新幹線やフランスのTGVが好調に成長してゆく中、鉄道技術大国ドイツは高速鉄道開発でやや遅れをとっていました。在来線の輸送が限界に達する中、ドイツでも抜本的な輸送改善を行うために、高速新線建設と新幹線形列車の導入を決定しました。そこで登場したのが、ICE(Inter City Express)です。 1990年、最初の新線であるハノーヴァー−ヴェルツブルク間のNBSが開業しました。ドイツの高速新線NBSは、在来線のバイパスであり、ICなどの在来線特急も運転されます。 第1系列である401/801系(ICE-1)は、1990年に誕生しました。日本の新幹線やフランスのTGVとは異なり、伝統的な機関車+客車の組成で、車体の大きさも在来線のものに準拠しています。両端機関車で、最高速度は280km/h。 1996年には、片方の先頭車を制御客車にして編成を半分にしたICE2が登場しました。分割を行うことによって支線区への直通が容易になりました。 2002年のフランクフルト−ケルン間の新線開業では、山岳地帯の急勾配線に対応するために電車方式になったICE3が登場しました。ICE3は最高速度330km/hの性能を誇り、フランスTGV、日本の500系を追い抜いて現在世界1位です。またICE3の亜種として、在来線用の振り子式特急であるICE-T(電車)、ICE-TD(電気式ディーゼルカー)が登場しました。 しかし、ICEの成長は決して平坦なものではありませんでした。1998年6月、ハノーヴァー近郊でICE1が脱線事故を起こし、死者130名以上を出す大惨事となりました。高速鉄道初まって以来の大事故は、世界の鉄道関係者に深い衝撃を与えました。2003年にはICE-TDの振り子装置に重大な欠陥が見つかり、全車運行停止に追い込まれました。 ICEは暗い話題ばかりではありません。ICE3の完成度の高さが評価されて、スペイン国鉄がマドリッド−バルセロナ間のAVEにICE3を導入することを決定しました。海外へ輸出することが決まったことから、ICEは名実ともに、日本の新幹線、フランスTGVとともに世界の高速鉄道三巨頭の地位を得たと言ってよいでしょう。今後も、新幹線やTGVと競いながら、ICEは成長してゆくでしょう。 修正 削除