(東武東上線)
4. Epilogue
〜 エピローグ 〜
さて、少しは回答らしきものが見つかって良かったが、付近にはまだまだ謎物件が数多く存在している。 霞ヶ関駅から入間川へと向かっていた砂利採取の県営トロッコや、その荷を引き継いだと考えられる東武の側線もあるし、もう少し先に行けば坂戸町にもトワイライトな場所が存在する。 今回解決していない疑問も含め、今しばらくはこの近辺へ通う機会が頻繁にありそうだ。
ちょうどお昼を回った時間となり、件のスーパーへ買出しに出かける。 ついでに、かつてこの地に居を構えて勢力を誇った河越氏の館跡が付近にあると聞いていたので、寄り道して少し周りから覗いてみた。 住宅地の中にあってその一角だけが広大な緑の空き地となっており、生い茂る雑草の上を五月の爽やかな風が吹き抜けている。 この敷地の広さと今も一部に残る周囲の土塁や並木は、有力武将であった当時の河越氏の本拠地での力を、時代を経た今でも良く物語っていると言えるだろう。
今日のお昼は鎌倉時代の街に思いを馳せながらここらの木陰で頂こうか...。 段々とそんな気持ちが頭をもたげて来る、川越郊外の午後なのだった。
参考:川越市 河越館跡史跡公園整備説明会当日配布資料
河越館跡の発掘調査成果について