大正十四年の鉄道地図を探る |
全国鉄道地図 に一致する日本語のページ 約 2,236 件中 1 - 5 件目 (0.679 秒) |
以前、某方面(!?)から古い鉄道地図を頂きました。 「全國鐵道地圖」と題されたそれは大阪毎日新聞第一萬五千二号附録となっていて、発行は何と大正14(1925)年。 既に80年以上経っており保護期間も終了しているので、ありがたく記載内容を少しご紹介してみたいと思います。 とは言っても、北海道から九州、果ては大陸まで含め、十二折り両面印刷の大きな地図。 ここは部分的にスキャンしてちまちまと小出しして行くしかなさそうです。 という事でとりあえずの第一回なのですが、二回目以降が続くかどうかは保証の限りではないので、予めご了承のほど…。
http://hkuma.com/rail/railmap01.html#01
立川周辺まずは私の地元である立川周辺ですが、地図を見ると青梅線はまだ私鉄の青梅鉄道で、二俣尾までしか開通していません。 近辺の五日市鉄道や南武鉄道も存在せず、一方で横浜鉄道は既に全通で国有化(当時は省線)されていますね。 私鉄関係では、国分寺~川越間の西武川越線は既に明治期から開通している幹線(その先、西武大宮線も見えます)、対抗する武蔵野鉄道も飯能に達しています。 中央本線南側では京王電車が府中どまり、後に西武多摩川線となる多摩鉄道も記載されています。
http://hkuma.com/rail/railmap01.html#02
東京都心次に東京市中心部、さすがに皇居の表記が「宮城(きゅうじょう)」となっているのが時代を感じさせてくれます。 そのすぐ北側を走る中央線までも「山手線」と記載されているのは、この頃、両線を直通する「の」の字運転を行なっていた為でしょうか。 新宿からは京王線、西武荻窪線が出ていますが、小田急は昭和に入ってからの開通なのでこの頃は存在せず。 渋谷は玉電のみで東横線も未開通。目黒からは目黒蒲田電鉄、品川が京濱電車です。 東京の東側では、東武、京成組は隅田川を渡る手前で足踏み状態。 そういえば総武本線も両国ターミナルが終点で、千葉県側から都心方面への交通の便はまだまだこれからといった時代です。
http://hkuma.com/rail/railmap01.html#03
スクロールマップ(全表示)
千葉北部ですが、成田線が佐原までしか開通していません。 その代わりに、今はなき千葉県営鉄道が成田から多古へ、さらに途中の三里塚から八街へと路線を伸ばしています。 北総線といい、モノレールといい、千葉県は昔から今に至るまで鉄道の建設に積極的ですね。 南房に少しスクロールしてみると大原~大多喜の夷隅軌道が見えますが、これも元は県営軌道でした。 私鉄では、成田市内には成宗電気軌道の路線も見えます。 京成は千葉まで開通しているものの成田方面は後回し。 これまた県営鉄道あがりの野田線はまだ東武に吸収される前で、北総鉄道を名乗ってます。 銚子鉄道は開通直後ですが、やけに太い線で描かれてるのが不思議です。
http://hkuma.com/rail/railmap01.html#04
関東北部両毛線の富田~佐野間が無色なので未開通でしょうか。富田からは赤見軽便鉄道が北へ伸びています。 小泉線は東武と合併前で上州鉄道、東武の佐野町~越名間の支線もまだ載ってますね。 本庄から出ているのは本庄電気軌道、高崎近辺では伊香保電車の路線網が目立ってます。 高崎から先、上越線は清水トンネルの開通前(今年で開通77周年だそうです)で、上越南線と北線に分かれている時代です。 あと、足尾から山の方へ向かってるのは粟野鉄索でしょうか。 そんなのまでちゃんと書いてあるのは、感心してしまいます。
http://hkuma.com/rail/railmap01.html#05
東海道方面この方面で大きいのは、国府津から御殿場まわりの東海道本線。 熱海線や丹那トンネルの開通前で、三島も旧駅の状態(現在の下土狩駅)。 その旧三島駅からは、駿豆鉄道(現在の伊豆箱根鉄道)が修善寺へと向かってます。 歴史の古い箱根登山鉄道(当時は小田原電気鉄道)も小田原~強羅間を開業済。 二宮からは葉煙草輸送を目的として開業した湘南軌道、茅ヶ崎からは相模鉄道が北へ伸びていますがこれは今のJR相模線です。 江ノ電も既に藤沢~鎌倉間を走ってますね。
http://hkuma.com/rail/railmap01.html#06
他にも色々と発見があるかと思います。 マップはスクロール可能ですのであちこち覗いてみて下さい。 全体をご覧になりたい方は、「全表示」からどうぞ。 但し今回のスキャン範囲は狭いですので、他に見たい地域がありましたらリクエスト等お寄せ下さい。 そちらを優先して取り上げて行きたいと思います。