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草生す線路の風景

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列車が行ってしまうと、作業員たちはヤレヤレという感じで、即席踏切の後片付けを始めます。ヤードに入った機関車は、引いていった貨車を一旦切り離して何度か線路上をちょこまかと往復し、そこに留置されていた別の無蓋車を数両組み込みました。そして最後にかすれたホイッスルを一声残し、カーブをまわって夕陽の彼方へと消えていったのです。

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さて列車も行ってしまった事だし、日も暮れたのでこの辺で駅へと戻りましょうか。でも何だか不思議です。だってあの列車はどこへ行くのか。このカーブの先は確か例の貨物ホームのはず... あそこから来た列車がグルっと周ってまた同じ所へ戻って行くとは... 一体全体...




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<第一話:おわり>




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