16番のこと | 公開:1997/08 |
16番、いわゆる HOゲージというヤツを昔やっていた。とっかかりは小学校の高学年の頃である。普通この道にハマるきっかけは、フリーランス(自由形)の EB10 とかの丸っこい電機と、くそ面白くもない O型の線路がセットになったものをお父さんに買ってもらって... とかいうケースが多いはずだが、私の場合は多少事情が異なっていた。 当時、「模型とラジオ」(通称:模ラ)という月刊誌があり、たまたま本屋さんでページをめくっていると「レッドアローの作り方」という記事があった。ちょうど、西武秩父線が開通した頃で、TV でもしきりに「西武で秩父へ、特急 85分」という CM を流していた。とても"カッコイイ"車輌だったので、ぜひ自分で作ってみたかった僕は、早速その本を買って帰り製作を開始した。 ところが、アァ初心者の悲しさ、ペーパーボディに(白ボールでなく)黄ボールを使うわ、技術がなかったので窓抜きをしないで色塗りでごまかすわ、しかもシンナーで薄めもせずにいきなりラッカーを筆塗りするわで、ボテボテのボディーになってしまった。それでも近所の模型屋さんに走って行って、FS なんとかの台車下さい、と言う所までは良かったのだが、帰って来た言葉は「そんなのないョ」。 「西武で秩父へ...」計画は、あえなくここに頓挫したのだった。その後、ペーパーキットと言う便利な物の存在を知り、地元でもパーツの入手しやすい国鉄の車輌を作ったりしていたが、徐々にノウハウをつかんで、自分の好みの物を作れる様になって行った。 初期の作品の多くは、パーツを使いまわしたりしてしまって現存しないが、30年近く経った今も手元に残った物が幾つか有る。おそらく通電すればまだモーターも回るだろう。前置きが長くなってしまったが、そんな車輌たちをご紹介したい。 |
※写真は全て学生時代に撮影したものです。