2016/02


京成電車で行こう、今回は未乗区間の残る千原線へ行って来た。 千葉中央と終点ちはら台を結ぶこの路線、当初千葉急行電鉄として開通したものの、その後の業績が芳しく無く、全線開業後3年で早々に京成へ吸収されたという経緯を持っている。 そういえば、私が幼いころ乗っていた新京成の車内に貼ってあった路線案内図に、京成千葉(現千葉中央)から小湊鉄道へと繋がる計画線が描かれていたのを思い出す。 だから、その末裔である千原線の本来の終点は、難読駅として知られる小湊鉄道の海士有木(あまありき)だった筈である。 ゲージが違うので乗り入れは出来ないが、それが実現したら養老渓谷方面への観光客輸送に貢献していたかも知れない。

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- 京成船橋乗り換え -

さて、本日のアプローチは御茶ノ水からJR総武線で船橋へ。 一見、京成に対する裏切り行為ともとれるが、高架駅になった京成船橋への乗り換え具合をまだ試していなかったので、それが目的である。 実際に利用してみると、今はJRの改札を出たらエスカレーターに乗ってデッキに上がるだけで、雨にも濡れずに最短距離で京成に乗り換えられるという便利な状況になっているのに感心した。 Suicaでそのまま改札を入る。思えばこのシリーズを始めた当初は乗り降りするたびに切符を買っていた。 その後、プリペイドカードでかなり便利になったと思っていたが、今はもうSuicaのようなICカードが普通になってしまった。 時代は変わるものである。

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開放的な京成船橋駅の高架ホーム

やって来た特急で京成船橋を発車すれば、ひとしきり高架を走り地上に降りてセンターいや、船橋競馬場を通過、次はもう千葉線への乗り換えとなる京成津田沼だ。 ところがこちらは、乗り換えの為に一旦跨線橋を渡らなければいけないという、少々不便な状況に。 新京成が京成千葉線へ直通するようになったのはありがたいが、その際に千葉方面の発車は基本的に新京成ホームに統一されてしまったのである。 階段を降りてゆくと、ホームに待っていたのは3000形ちはら台行き。 この電車に乗り、津田沼を出て総武線の電車と並走しながら一路千葉へと向かう。

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京成津田沼駅で「ちはら台」行きに乗り換え

- 千葉中央から千葉寺へ -

本シリーズも前回からもう4年(毎回これ言ってる笑)、さらに、千葉線をやったのは2004年なのでそれから既に12年ほど経っている。 この線は学生時代、毎日お世話になっていたから懐かしくもあるが、基本的にあまり沿線の変化は無いようだ。 京成千葉で殆どの客を降ろし次の千葉中央で千葉線は終点となるが、乗っている電車は千原線に直通するので少しの停車後に呆気無く発車。 引上線で折り返し待ちをしているピンクの新京成電車を横目に、こちらは単線となってしばらく外房線の高架脇を走りながらスピードを上げる。 千原線は全線に渡り複線構造で建設されたが、現在線路は片側しか敷かれていない。

電車がスピードに乗って来ると本千葉駅脇をすっ飛ばし(京成は駅が無い)、一旦JRの高架から離れると見せかけて緩いカーブで再び近づき、その上を一気に跨ぎ越す。 周囲は千葉の市街地であるが、ここまで来ると背の高いビルはマンション以外あまりない。 徐々に速度が緩まると、すぐにかまぼこ屋根に覆われた千葉寺駅の広い対向式ホームへと滑り込む。 但し、今のところ使われているのは片側ホームだけである。

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千葉寺駅に着いた

下車した数名と共に、階段を降りて高架下の改札へ。 駅前へ出て傘をさしながら片手で駅舎の写真を撮り… という事で実は本日は雨である。 それも雪になるとの予報が出る位、冷たい霙のような雨がシトシト降っている。 さてどうしようか迷ったが、千原線は日中約20分ヘッドのダイヤ、どっちにしろ後20分は電車が来ないので、ここでただブルブルしながら待ってるのも勿体無い。 せっかくだから駅名となっている千葉寺へでも行ってみようと、意を決して雨の中を歩き出す。

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千葉寺山門
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千葉寺本堂

歩道のない道をトボトボ10分程辿り、信号を右折するとすぐに千葉寺の古びた山門が見えて来た。 駅は「ちばでら」だが、お寺の方は千葉寺で「せんようじ」と読む。 音訓の違いが浅草の浅草寺(せんそうじ)のようでもあり、ちょっと面白い。 千葉の県名に縁のあるのは何となく分かるが、その由来はどうなっているのだろう? 雨のせいも合って立派な本堂や鐘つき堂もある境内に人影は少なく、シンと静まり返っていた。 帰りに参道を駅へと歩いていると、トラックから荷降ろしをしていた宅配車の女性ドライバーに「こんにちはー」と挨拶されてちょっとホッコリ、結構年配の方のようだったが。

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半地下の大森台駅ホームへ。外は雨が激しい

2便あとの電車に乗り、千葉寺駅を後にする。 すっかり冷えきってしまった体には、車内の暖房が有り難い。 次の大森台駅には、実は以前に来た事がある。 千葉急行として大森台まで暫定開業した頃で、その時は終点駅だった。 周囲は駅のすぐ脇を16号と京葉道路が通っている位で、他に目立ったものはなかった様に記憶している。 そんなことを考えているうちに、半地下状のホームを持つ大森台に着いた。 降りようかどうしようか? ここは車内暖房の魅力に負けて、もう一駅先へと進む。

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