■川越電鉄(西武大宮線) (4)  

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内野〜大宮

「大成」の手前で南西から来た車道と合流し、いよいよ駅前の市街地に入って来る。ここの「所沢新道」バス停のあたり、昔の街路図によれば車道からちょっと離れてくの字に曲がった専用区間が描かれている。現在も同じ位置にこれとそっくり同じ形跡の路地が車道の一本裏手を通っているので、おそらく電車道そのものだろう。大成の停留所があったのもこのあたりの様だ。

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「大宮町全図」より大宮駅付近(昭和2年発行)
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21. 左:バス通り、右:電車みち?
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22. 「く」の字の路地



中山道を渡ればついに大宮駅前。何も当時を連想させる物はないだろうと思っていたが、意外にもこんな駅前の一等地に、時代をタイムスリップした様な空間が存在した。線路跡そのものかどうかはわからないが、地図上でほぼ同じ位置に細い砂利の路地もあり、おそらく電車はこのあたりから駅前の広場へと出ていったに違いない。

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23. 材木屋の向こうにソニックビル
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24. 渋い黒塗りの納屋?と車庫
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25. 駅前にこんな砂利道が



大宮の駅跡は既に駅ビルやダイエーのでかい建物の谷間。ここにちゃんとしたホームがあったのか、あるいは路面電車の停留所そのものだったのか... また開業当初、川越久保町と同様なループ線がこちら側にもあったのか、その辺は謎だ。ライバルとなった川越線もかつては地上のホームから気動車が長閑に発着していたが、埼京線と直通する様になって地下へと潜り、往時を偲ぶこともなかなかに難しい昨今である。
時間は8時をまわったところで、そろそろ駅前も列車に乗りに集まる人が増えて来た。ビル下の日陰に非難して自転車を分解にかかると、頭上から何かが走り出す音が響いて来る。見ると、隣りのビルの周りをグルリと半周して、新交通の小さな電車が郊外へと向け発車して行くところだった。

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26. 大宮駅前、正面奥が駅



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〜おわり〜
参考:
  • 「多摩のあゆみ 73号」 財団法人 たましん地域文化財団
  • 「さいたまの鉄道」 埼玉県立博物館
  • 「地形図でたどる鉄道史」 今尾恵介 著
  • 「日本の路面電車 II」 原口隆行 著
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