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西武拝島線(5)


■玉川上水〜武蔵砂川
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玉川上水駅はその名の通り、玉川上水がすぐ脇を流れている。北口に降りてしまうと気が付かないが、南口の階段を下ればすぐ目の前だ。紅葉もピークは過ぎてしまったようだが、その名残が水上の落葉となって赤や黄色の紙ふぶきを散らしている。上水沿いには遊歩道があるので、しばし落葉をガサガサと踏みしめながら自転車を押して進んでみると、周囲の喧騒から隔絶された別世界が水路の周りに続いて行く。

この区間の線路は単線だが、線路用地はしっかりと複線分を確保してあり、架線柱のビームも複線対応の立派なものだ。しばらく直線を突っ走り再び築堤を登りだすと、すぐに高架駅の武蔵砂川に着く。この駅は拝島線の中でも一番最後に出来たもので、昭和58年の開設。高架下の小さな駅舎はご覧の通りで、広場すらない駅前にはコンビニが一軒だけ。閉鎖された日産村山工場には一番近かったが、果たしてどれだけの人が利用したのだろうか。

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玉川上水〜武蔵砂川間
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武蔵砂川駅

■西武立川

さらに寂しいのは次の西武立川駅。立派な駅名につられて、JR立川駅を連想してはいけない。もちろん乗り換えは出来ないし、駅前に何があるわけでも無い。乗客が改札を出て目にする光景は、延々と続く空地の中を、バスも入って来れない細道が遥か彼方まで続いて行く光景だ。ここ実は、住宅の開発計画が中途半端に中断しているらしく、そのからみで何時までも更地のままになってしまっているのだ。実に殺風景だが、何故かホッとさせるものもどこかに秘めている、そんな駅前。若い女性が、少し困ったような顔をして携帯で電話をしていた。

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西武立川駅
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駅前広場?

■拝島

そこから横田基地の南端を回り込み、玉川上水を短い橋梁で渡ると、車窓左手から八高線と広いヤードが寄り添って来て、電車は終着拝島駅のホームへと静かに滑り込む。その直前には、基地へ燃料を補給するための引込線との平面クロスがある事はご存知の通り。その関係で拝島線は開通当初から、本線に先駆けて ATSの装備された新型車両を中心に限定運用されたとの事である。駅には南口と北口があるが、元々あったJR駅舎の南口が表玄関、西武管理の北口は裏口という風情。北口駅前には、直線で近回りをして来た玉川上水が再び姿を現しているが、拝島線との旅もここまでだ。

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拝島駅

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拝島区間、開通前日の出発式
玉川上水駅(昭和43年5月15日)
写真提供:田駄雄作さん

沿線の探索を終え、拝島駅から程近い「みずくらいど公園」で午後のティータイム。この「みずくらいど」も玉川上水に由縁の命名だが、興味のある方は検索してみると面白いかも。お湯を沸かすシェラカップに落ちた木漏れ日が冬の陽光をチラチラと反射する。見上げると冬空の下、散りかけた紅葉が風に吹かれて静かに揺れていた。

<終り>
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参考:
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