注意:このページは2005年3月に執筆したものであり、その後システムは変わっていると思われますのでご注意下さい
■ネットショッピングで昔の地図を買う■

平たく言うとタイトルの通りですが、お役所的な表現だと「旧版地図の謄本交付」という風になります。ま、商売じゃないんで、そういう事です。旧版地図は廃線探索の下資料としてとても役立ちますが、そこらで売ってる物ではないので、必要な場合、国土地理院へ行って謄本を交付してもらわなくてはなりません。

私も一度、東京は九段にある関東地方測量部へ伺った事があります。初めてだったのでドキドキしながら合同庁舎の上の方の階へ上って行くと、ごく普通の事務所のような部屋で、カウンタ越しに係の方が応対して下さいました。手順を親切に教えてもらって、マイクロフィルムをビューワで閲覧し、お目当ての図幅が見付かったら申請書を書き、一旦外へ出て近くの郵便局で収入印紙を買って来て貼り付けて申請。しばらく待つとコピーして持って来てくれる、というような手順だったと思います。

この場合のメリットは、その場で自分の目で確かめた地図を入手出来るという点に尽きます。廃線時期に前後して作成編集された地図は、その発行年によって目指す鉄道が載っていたりいなかったりしますんで、その辺を実際に目で見て調べながら揃える事が出来るというのが大きいですね。

一方で、今回やってみたオンライン購入はその辺を事前に確かめられないというデメリットはありますが、自分のPCに向かって申請をするだけで、数日後に宅配便で地図が送られて来るという手軽さが魅力。郵送で申請書を送るという手も過去に使ってみましたが、それだと手数料として貼る収入印紙を郵便局であらかじめ購入しておく必要があるので、結構躊躇してしまったりします。それに対し、今回ご紹介する電子申請はインターネットバンキング等を使って交付手数料を振り込めますので、PCの前で全ての処理が完結します。

ところで、これが出来るようになったのは、実は比較的最近のこと。国土交通省電子申請システムは平成13年6月にスタートして順次サービス範囲を拡大して来ましたが、「測量成果の使用の承認」及び「測量成果又は測量記録の謄本、抄本の交付」手続が電子化されたのは、平成16年3月の事でした。今回はそれを利用してみたわけですが、思わぬ所に落とし穴。初めてこれを使う場合「利用申込」申請が必要であり、それには本人確認の為、申請書を窓口へ持参、または郵送しないといけないのでありました。


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ではここから解説に入りますが、まずは謄本交付自体の概略手順をまとめると以下の通りです。でもその前に準備編が結構しんどいんで、一回コッキリという人にはあまりお奨めしません。旧版地図を利用する機会の多い方、まとめて謄本申請する方などに向いていると思います。

  1. 専用ソフトで申請ファイルを作成し、サイトへアップロード
  2. 申請が受理されるとメールが到着
  3. 再度サイトへアクセスし、納付金額を確認
  4. ネットバンキング等で手数料を送金(利用可能な金融機関の確認
  5. ゆうパック、宅配便等で地図が届く

次に申請手順の詳細と各処理のポイントを抜き書きします。但しこれは私がたまたま一回行なって、とりあえず申請が通ったという結果だけであり、必ずしも正解でない部分も含まれている可能性があります事、予めご了承を。怪しいなー、と思ったら窓口に問い合わせてみるのが一番かと思います。公式サイトは以下になります。


※上記の「ご利用の手順」から入ると、ステップを踏んでウィザード形式で手続きが進んで行きますので、わかり易いと思います。

準備編(初回のみ)

※以下の処理は、最初に利用を開始する際に一度だけする手続きです。2回目以降は必要ありません。

利用申込

利用申込書をページからダウンロードします(以下、Wordの場合で説明)。 自己解凍形式のファイルを解凍すると、申込書本体、及び各申請手続きの書式がサブフォルダにズラーリと出て来ます。 サブフォルダ内で我々が必要なのは、「国土地理院関係.doc」です。

  • 「利用(変更)申込書.doc」の記載
    申込書への記載内容は概ね以下の通り
    1. 利用者情報
      申込書に住所氏名等を記入します。有効期間の欄は、「使用開始日」を記入日、「終了日」はブランクにすれば無期限と扱ってくれるようです。
    2. 法令・申請手続情報
      ここは、別紙「国土地理院関係.doc」に記載します。
    3. 申請提出者情報
      利用者と同一の情報を記載します。メール、パスワード等を指定。
    4. 代理人情報
      通常は記入不要です。
  • 別紙「国土地理院関係.doc」への記載
    オンライン申請する可能性のある法令名をチェックします。とりあえず以下4項目をチェックすれば良いでしょう。
    • 測量成果の使用の承認
    • 測量成果の複製の承認
    • 測量成果又は測量記録の謄本抄本の交付基準点成果等用
    • 測量成果又は測量記録の謄本抄本の交付旧版地図等用
    提出窓口(局)、提出窓口(部支局)の記入は迷いましたが、
    • 提出窓口(局)=国土地理院
    • 提出窓口(部支局)=関東地方測量部
    で、通りました。(これで正解なのかな?)

申込書の 1.〜4.及び別紙を印刷して郵送します。郵送先窓口は右記に(旧版地図の謄本交付について)。利用申込書が受理されると、申請者IDがメールで届きます。私の場合、投函後3日ほどしてメールが届きました。実際に申請者IDが必要になるのは申請書送信のタイミングですので、待つ間、以下の準備作業を先行してやっておくと良いでしょう。

プログラム、様式ファイルのインストール

申請者IDを待つ間、自分のPCの環境を整えます。「ご利用の手順」のステップ3から指示に従って行えば良いです。インストール先は基本的に C:\goamlit がデフォルトとなっていますので、とりあえずそのままが無難です。

ステップ(1.2.は済)
  1. マニュアルのダウンロード
    インストールや操作方法の詳細なマニュアルが用意されていますので、ダウンロードします。
    自己解凍形式のPDFです。
  2. 安全な通信を行うための設定
    通信暗号化のための自己署名証明書を取得し、ブラウザに組み込みます。
  3. 申請書作成アプリケーションのインストール
    • アプリケーション本体をダウンロードし、インストールします。場合によっては JRE(JR東でなく、Java2 Runtime Environment)が必要となり、インストール途中にその旨ダイアログが出ます。
    • 次に行なうJavaアプレット環境設定プログラムの設置は必ずしも必要ではないですが、やっておいて損は無いでしょう。
    • そして提出先管理情報のインストールも行ないます。
  4. 様式ファイルの取得
    各申請書の様式ファイルを入れ込みます。我々が必要なのは「測量成果又は測量記録の謄本抄本の交付旧版地図等用」ですね。「様式を取得する」の釦を押してダウンロードします。

フゥ...色々あります。でも、以上で初期設定関係の処理は終わりです、お疲れさまでした。次回からは、次の「申請編」のみ行なえば良い事になります。

申請編

申請書作成

デスクトップ上のアイコン、又はメニューから「作成アプリケーション」を起動し、メニューの「ファイル」→「様式選択」で「測量法測量成果又は測量記録謄本抄本交付申請書旧版地図等用」(な、長い ^^;)を呼び出して記入します。「使用目的」欄は私の場合、「鉄道廃線跡の調査」としました。記入が終わったら、適当な名前を付けて保存します。「保存(検証有り)」を選ぶと、保存前に入力内容のチェックを行なってくれます。 実は2回目以降は、この保存したファイルを呼び出し修正して使えますので、初回より入力は大分楽になります。

再び「様式選択」で、今度は「測量法測量成果又は測量記録謄本抄本交付旧版地図等用別紙」を呼び出し、記入します。記入例は以下のような感じ。必要な地図は こちら のマップ内から探し出します。サイズの柾判、「柾」は「まさ」と読み、和紙の大きさの一つです。この辺の記入例(但し紙の場合)は、国土地理院のページにもあります。

>> 記入例<<

申請書送信

ブラウザで「国土交通省オンライン申請システム」にアクセスし、申請手続を行ないます。トップページ>所管一覧>国土地理院関係>測量法>測量成果又は測量記録の謄本抄本の交付旧版地図等用 です。「申請する」の釦を押し、ログインを行なった後、「国土地理院地理情報部」をクリックします。先ほど作った二つのファイル(拡張子 .xml)を「参照」釦で指定してサーバー側へアップロードし、申請を行ないます。

手数料送金

申請が受理されるとお知らせがメールで来ますので、サイトにアクセスして手数料額の確認を行ないます。払い込みにはPay-easy(ペイジー)を使います。各金融機関のネットバンキングメニュー上では、通常の「振込」でなく「税金・各種料金払込」や「決済サービス」のような区分けになっている所が多いようです。

地図の受領

払い込みの翌々日(私の場合)に地図は到着しました。荷姿は写真のような感じ。ゆうパック着払いで920円(つくば市〜青梅:2004年時点)でしたので、地図2〜3枚ではちょっと痛いです。ここは一つ目ぼしい物をリストアップして、大人買いでもしましょうか(^^;)


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