はじめに

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連休中の時間潰しに、アルモデル製BB凸電を組み立てる事にした。 これは、14~5年前に仕入れたものの、そのまま死蔵になっていたブツである。 購入したのは、エッチング板の本体とKATO製の小型車両用動力ユニットを含んだトータルキットだが、確かオマケで入れてもらったヘッドとテールライトのメタルパーツも付いている。 ちなみにここまで引っ張ってしまったのは、半田付けの練習台にするつもりで取っておいたから。 でも結局、金属工作関係のお道具を揃えるきっかけが掴めずズルズルと… という経緯なのだ(笑)


エッチング板

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ボディとなるエッチング板は0.4tの真鍮板1枚で、そこに全てのパーツが収まっている。 実はこれ、アルナイン(アルモデルのNゲージブランド)「とても簡単な」シリーズ(通称「とて簡」)の記念すべき第一号である。 好評なようでその後シリーズも全56種類となり、今も新製品が増え続けている。 その理由は、必ずしも半田付けを必要としない事。 もちろん半田でキッチリと組み立てる事も可能だが、爪を差し込んで折り曲げるだけでも簡単に組めるそうなので、今回はそれで行こうと思う。


本体

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で、文字通り組立は超簡単で、パーツをニッパーでカットして90度に折り曲げて行くだけ。 折り曲げの順番も説明書を読めば丁寧に書いてあるので、間違える心配はない。 すぐにここまで箱になってしまうんだから、制作のモチベーションも上がるってもんだ。


屋根板

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ボディは全て一体となっているがキャブ前面窓と屋根だけは別パーツである。 屋根のカーブはパイプ状のものに沿わせて曲げるのだが、説明書にはGMカラーの瓶が丁度良いと書いてあるので、それに従った。

仮組み立て

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ボディと屋根は、同位置の孔にパンタ固定用の足を貫通させて位置合わせが出来る。 ここまでの組み立てに要した時間は、ものの30分程度だった。 簡単なのはいいんだが、このままでは全体にちょっと平板な感じがするなぁ…。

パーツ追加

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で、若干のパーツ追加をば。 まずはボディ裾まわりに真鍮帯板(1.0x0.3t)を接着。 ボンネット上は0.5tプラ板をベースに、⌀0.3の真鍮線でパイピング。 キットのエッチング板に手持ちの貧弱なピンバイスで直接孔を開けるのは少々厳しいと思い、この手法に。 側面はキャブ部分に1.2t板を貼ってボリュームアップ、その下はエバーグリーンのIビームプラ棒を足掛け替わりに接着した。

パイピング

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ところで、いまさらながら裏面を良く見ると多数の小穴があるのを発見! そうか、これをガイドとしてドリルで貫通させれば、手すり等のパイピング用として使えるのか。 気が付くも時すでに遅しで、今さら板を展開して孔を開け直すのは不可能だ。

動力

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下回りは付属の動力ユニットそのままだが、台車の間がスカスカなので、GMの「プラント工場」キットから適当に空気タンクっぽいものを選んで来て貼り付け。 連結器はアーノルドがあまり好みでないので、KATOカプラーに交換しておいた。 入替運転を楽しむ事を想定するとKadeeにしたいところだが、ストックが手元にないのでとりあえず。

下地処理

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一通り形が出来たところで、塗装前の下地処理を行なう。 エッチング板などの真鍮部分はクレンザーで注意深く脱脂し、水洗い&乾燥後にメタルプライマーをスプレーする。 その後、プラ製部品も合わせてサーフェィサーを吹いて表面を整えた。 なお、一部のパーツは付けてしまうと塗料が回りにくくなるので、個別に塗装してから本体に接着する予定だ。

塗料到着

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手配していた塗料が到着した。 レッドブラウンとオレンジイエローである。 当社旧塗装の標準色であり、バックに見えているデキ10形と同じ色だ。 旅客車は既に新塗装へと移行しているが、事業車系は旧塗装をそのまま使用する事にしている。

本塗装

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本塗装開始、まずは帯色となるオレンジイエローをエアブラシで塗布。 続いて帯部分をマスキングし、全体にレッドブラウンを吹く。 こうなると三岐の機関車っぽくも見えるが、ルーツは一応当社のモハ107号である。

各パーツ

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組立時に取り付ける各パーツも準備し、個々に塗装を行なってある。 屋根は定番の明灰白色だが、結局オリジナルのエッチング板は使わず、もう少し庇を深めにしたものをプラ板で用意(上左)した。 また、パンタ高を稼ぐため、その上に櫓を組んでいる。 その為、パンタ側の取り付け足の長さが不足するので、プラ丸棒を継ぎ足して接着した(写真の白い部分)

解放テコ

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そして正面がちょっと寂しいので、解放テコ(風なものww)を自作してみた。 素材は⌀0.3の真鍮線だが、そのままでは加工が難しいので軽く焼き鈍しておく。 それでも中央の凸部は曲げにくいから、ちょっとした治具(写真上)を作ってプレスした。 仕上げに、⌀0.2の線をスプリング状に巻いてカットした輪っかを、取付座として各4個通してある。

ライト類

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おっと、忘れちゃいけない。 ホワイトメタルのライト類も塗装して装着しないと。 しかしこれ、プラのNゲージだとモールドで表現されている場合が多いので、単独部品として見ると実に細かいなぁ…。 テールなんかルーペで覗くと、これできちんとガイコツ形が表現されてるのがスゴい。

組立完成

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最後に、個別に塗装した各パーツを本体に装着する。 接着は、取付足のある物はボディ裏面からゴム系ボンドで行ない、他は素材に応じてプラ用ボンドや瞬間接着剤である。 これにて、組立完了~。 シンプルなキットだが、ちょっと手を入れてやると、なかなか好ましく良い感じになる。 インレタで入れたナンバーは、デキ20形1番機で「21」とした。

記念写真

完成後の記念写真を何点か。最初の一枚は、支線のヌシ、B凸のデキ10先輩と肩を並べたところ。 軸配置BとBBの違いはあるが、似た者同士で兄弟機のようだ。 以降、本線上の写真はとりあえず手持ちの石灰石用ホキを牽かせてみたが、本来ならバラスト輸送等の任務が似合いそうだ。(終)

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