谷津遊園と謎の駅 (3)  

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- 谷津遊園への道 -

 次に現在の谷津駅から谷津遊園跡への道を、思い出を探りながら散策してみよう。谷津遊園駅は、私が親に頻繁に連れて来られた頃は既に、当時まだこの辺では珍しい橋上駅だった。いや、駅に降りたら工事中だった時期もあった様な気がするので、最初の頃はそうでなかったかも知れない。改札を左手へ出ると、そのまま国道14号を越える陸橋を渡り、急な階段を降りて少し左へ進むとそこからが駅前通りだ。この辺までは今も変わりない。
 ここから京葉道路をくぐるまでの間、当時両側には飲食店や海水浴客目当てのお土産屋などが軒を連ねていた。現在でも商店街である事に変わりはないが、団地からの通勤客が朝夕通過してゆくこの通りは、だいぶ洒落た店が多くなった様だ。所々に古い造りの食堂等を見かけると、小さい頃ひょっとして親に連れられて、帰りに寄っていったりしたのかも知れないなとか、ついつい記憶の糸を辿ってしまう。現在この通りは一般車の通行をシャットアウトしており、石畳風の路面は適度に蛇行させてあって、ちょっとしたプロムナードの雰囲気になっている。

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10. 早くから橋上駅だった
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11. そのまま千葉街道を渡る
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12. 懐かしい駅前商店街
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13. 高速道をくぐると夢の国

 通りを歩いていると、店先に釣り下げて売られていた鋳物製の潮干狩り用熊手や、立ち飲みの牛乳屋さんで買ってもらって飲んだコーヒー牛乳の味など、断片的な思い出が蘇る。この辺まで歩いてくると、吹いてくる風にもどことなく潮の香りが感じられたっけ。


- 谷津遊園跡のいま -

 京葉道路の下をくぐると、その先はもう谷津遊園の入口。現在その跡地は大部分が、近代的な高層住宅の立ち並ぶ「谷津パークタウン」となっている。斜め右手へと進んで行くと、この団地に隣接した谷津公園となり、ここもまた敷地の一部であったようだ。さらに奥手へと歩いて行くと、この谷津公園の中の一角に残る「谷津バラ園」の入口前に出た。早速入口で\200のカードを買って入るが、ゲートを通るとそのカードはスッと機械に吸い込まれてしまい、記念になるかななんて思ってたので少々残念な気がした。

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14. 跡地に建つ「谷津パークタウン」
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15. 谷津バラ園から干潟方向
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冒頭の写真がほぼ定点?

 園内に入ると意外に入園者が多いが、ここは実は習志野市公園緑地課が運営を行なっており、市内在住で一定の条件を満たす方は無料との事だ。バラも程よく咲いており、当時そのままの配置ではないのだろうが、何となく谷津遊園の頃の面影がそこかしこに感じられる。
 写真を撮りながら一通り歩いて周ったが、南国風の樹木や、噴水、また日本庭園の池など、いかにも遊園地然とした造りがその生い立ちを物語っているようだ。その数700種類、株数にして6,300というバラの庭園はさすがに見る者を圧倒する。これらの株は、谷津遊園の頃から生き続けているものなのだろうか。

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16. 団地遠望も南国リゾートを思わせる
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17. ライドでも走って来そうな池





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