遠鉄、静鉄、石松電車 (2)

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西鹿島からは天浜線で掛川方面へ向かうが、途中でちょっと下車して寄り道を…  というのは、静岡鉄道の秋葉線跡を終点付近だけでも探索したいのだが、空模様が限りなく怪しい本日。 そしてもう4月だというのに肌寒いこの陽気には、少なからず気持ちが萎えて来てしまうのである。

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西鹿島駅の天浜線ホームで列車を待っていたのは6~7人ほど。 今日は東ルート切符なので掛川行きに乗るが、この区間は国鉄二俣線時代にも乗った事がなく、初体験だ。

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乗った列車は2両編成だったが、天竜二俣駅で後ろ1両を切り離した。 「あらまぁ、〇○ちゃんなの?面影あるわね。20年ぶり?」 乗っていた年輩の親子連れのところに、ここで叔母さんらしき女性が合流。 久々の再会に話の花が咲いていた。

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遠州森駅を過ぎて太田川を渡るまもなく、すぐに戸綿駅のホームに着く。 築堤上にある1面1線の簡素な無人駅、もちろん降りたのは私一人だけであった。

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ホームから屋根の無い階段を降りて下の車道に出ると、戸綿のバス停があった。 この路面を電車が走っていたのか。 路面は濡れているが、傘をさそうかさすまいか…、まことに微妙な加減の霧雨が降っている。

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少し進むと本道は川を渡るため左手へと登って行くが、電車は右下のこの脇道をそのまま直進していた。 RMライブラリー18「静岡鉄道秋葉線」に載っていた古い写真に写っているレコード店が今も営業している。

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同じくRMライブラリーの定点撮影。 22ページ、小さな単車モハ5が小屋の前を通過して行くショットは私が生まれた年の撮影だ。 手前に増築されているが、その小屋も残っていた。

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しばらく林間の道を進み、少し風景が開けて来たあたりで秋葉線は太田川を渡りにかかる。 写真左端の堰の上手側、水深の浅くなった所を狙ってコンクリート橋が設けられていた。 向こう岸正面が、終点の遠州森町駅跡。

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驚いた事に、今から55年前に廃止された秋葉線の遺構がここにはまだ残っている。 川岸に立つ鉄道の橋台は護岸整備などにより失われる場合が多いので、これは奇跡的と言えるだろう。
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上流の道路橋を迂回して、終点の遠州森町駅にやって来た。 駅跡は現在、秋葉バスサービスという静鉄系バス会社の本社車庫兼乗り場となっている。 手狭な構内も、こうなると広々として見える。

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大田川を渡って来て、写真奥手の遠州森町駅構内へと入って行くあたり。 左手の三島神社の森との境には、古い枕木で出来た柵が何本か残っていた。

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探索後は次の列車まで時間があるので、散歩がてら一駅戻る形で遠州森駅へ。 近いからと油断してノンビリ歩いていたら意外と距離があり、時間ギリギリに駅へと駆け込む事態となった。

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