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第三回:九州 2019/02 Dummy

大正十四年の鉄道地図を探る

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「全國鐵道地圖」、前回からさらに8年ほど経過していますが思い出した頃に(笑)続けます。 第三回目は一気に南へ飛んで、九州地方を見てみたいと思います。 例によって手っ取り早く全容を把握したい方は、全体図をご覧下さい。

ちなみに、うっかりしてこれまで凡例を載せておりませんでしたが、スキャンするとこんな感じ。 ざっくりと色別で言えば概ね赤が省線系、青色が会社線系統と考えて良さそうです。

Legend

http://hkuma.com/rail/railmap03.html#01

北九州

大正14年の地図なのでまだ関門トンネルは未開通、本州の下関から関門航路で上陸する九州入口は門司駅となっていますが、ここは現在の門司港駅、隣に見える大里(だいり)駅がトンネル開通と共に門司駅となりました。 九州の屋台骨たる鹿児島本線や日豊本線は開通していますが、このエリアを縦横無尽に網羅していた炭鉱関係の線路は、多くが線間の連絡がとれておらず中途半端なルートを示しているようです。 日田彦山線はまだ官営化されておらず青いラインで小倉鉄道、香椎線も同様に博多湾鉄道の路線として記載、筑前参宮鉄道はその後に勝田線となりましたが国鉄時代に廃止されています。 門司~折尾間を結んでいる私鉄路線は九州電軌と表記されていますが、西日本鉄道の前身の一社で後の西鉄北九州線です。 吉塚~久留米間で省線と並走している私鉄の九州鉄道はもちろん現在の西鉄天神大牟田線ですが、鹿児島本線等を建設した九州鉄道とは別会社です。 またそこから内陸側へ向かって多くの路線が見えますが、それらの多くはナローの軽軌道で、廃止され現存していません。

http://hkuma.com/rail/railmap02.html#02

島原・長崎

九州鉄道により建設された長崎本線は既に長崎まで到達しており国有化もされていますが、ルートは有田、早岐駅を経由する今の佐世保線、大村線を含む路線となっています。 短絡線として、有明海側の肥前鹿島を経由する肥前山口~諫早が建設され長崎本線に編入されたのは、昭和に入ってからの事です。 佐世保の北側、松浦線は一部区間が開通していますが、この時代は佐世保鉄道という会社名になっています。 乗換駅として大書されている「大野」は現在の左石(ひだりいし)駅です。 島原半島へは島原鉄道が路線を延ばしていますが、島原湊~堂崎の末端区間は合併前で口之津鉄道となっています。 佐賀の祐徳軌道、肥前電鉄は、共に長崎本線ルートから外れた鹿島町や嬉野温泉の有志が設立開業させた鉄道です。 鉄道創成期には、このような事が多々ありましたね。

http://hkuma.com/rail/railmap02.html#03



スクロールマップ(全表示

熊本付近

熊本を経て八代まで延びて来た鹿児島本線は、そこから内陸部へと向かい人吉を経由して鹿児島方面を目指します。 現在は肥薩線として運転されているこの区間、当時は九州の大幹線であったのです。 一方で、八代から海岸沿いを進む建設中の線は肥薩線と記載されており、その後に鹿児島方面から延伸して来た川内本線と繋がった際に鹿児島本線となります。 呼称が逆転しているのですね。 熊本から大分へと向かう豊肥本線はまだ宮地までしか開通しておらず、この時点では宮地線と称していました。 会社線の方では、植木~山鹿間に鹿本鉄道が走っていますが、この地図の2年前、大正12年に全通しています。 上熊本駅から隈府へ向かう菊池軌道は現在の熊本電鉄ですが、のちに上熊本~廣町(現 藤崎宮前)間の路線は熊本市電に譲渡され、新たに上熊本~北熊本間が開業します。 春竹駅(現 南熊本)から南へ向かう御船鉄道は後に熊延鉄道と改称して延岡を目指しますが、山に分け入ったあたりで力尽きてしまいます。

http://hkuma.com/rail/railmap02.html#04

鹿児島

人吉から南下し有名な大畑ループを抜けた鹿児島本線は、吉松を経て終点の鹿児島駅に到着します。 その隣に「武」と一文字だけ記されているのが後の西鹿児島駅で、当時は駅前に田園が広がる川内本線の小駅だったそうです。 現在は新幹線も乗り入れ、鹿児島中央駅として大躍進の発展を遂げていますね。 宮之城線と山野線はまだ途中までの開通で、薩摩大口駅で結ばれるのはこの後昭和12年になってからです。 薩摩半島では、伊集院から枕崎を目指す南薩鉄道(後の鹿児島交通)が加世田駅まで開通しています。 末端の加世田~大崎町(後の薩摩万世)駅間は支線の万世線です。 大隅半島では、その先端部に大隅鉄道が開通しています。 この線はどこにも接続していませんが、港の有る古江から鹿児島湾航路で鹿児島市と連絡する形になっていました。 後に国有化され、大隅線の一部となっています。

http://hkuma.com/rail/railmap02.html#05

宮崎・沖縄

この地図の発行される2年前に大分宮崎県境の宗太郎越えが開通し、日豊本線はようやく小倉から鹿児島までレールが繋がりました。 但し、都城から吉松を経て国分(現 隼人駅)へ向かう線路は現在の吉都線+肥薩線で、霧島山の南麓を短絡する新ルートが完成するのは昭和7年になってからです。 支線では廣瀬(現 佐土原)駅からの妻線、都城からの志布志線が一部開業しています。 省線以外では、大淀(現 南宮崎)から内海までの宮崎鉄道、飫肥~油津間の宮崎県営鉄道飫肥線(どちらも後の日南線)などが路線を延ばしていますね。 地図では日向灘に沖縄があります(笑)のでここでご紹介すると、県内は全て沖縄県営鉄道の路線となっています。 国場から糸満へ向かう糸満線、同じく国場から与那原を目指す与那原線、眞玉橋(まだんばし)から嘉手納に向かう嘉手納線が運行をしていました。 こんなにも路線があった沖縄の鉄道…、戦争で全てが失われてしまったのですね。

http://hkuma.com/rail/railmap02.html#06

大分付近

大分付近では、九州を横断する2本の幹線が建設途上となっています。 犬飼線(地図上の「大飼」は誤記?)は豊後武田まで開通し、熊本から延びて来る宮地線と後に結合して豊肥本線となります。 久大本線の大分側となる大湯線は湯ノ平駅までの開業、久留米側は地図上では筑後軌道が走っていますが、国が並行する久大線を建設した際、補償を受けて廃線となりました。 別府~大分を結ぶ路面電車の大分交通別大線は、この当時は九州水電の経営です。 国東半島には国東鉄道、宇佐には宇佐参宮鉄道、豊前善光寺駅からは日出生鉄道が出ています。 さらに中津からは、かの耶馬渓鉄道、宇島からは宇島鉄道も耶馬渓に向かっており、このエリアには数多くの会社線が存在しており、地方私鉄の宝庫だった事が分かります。

http://hkuma.com/rail/railmap02.html#07